パワーが迫って来たとき、今日はもう無理かな、と思ったが
その時もハイペースを維持したことがポジションを救ってくれた
――1回目のピットは早めに行いました。そうなると、当然そこからの燃費セーブとかも大変だったと思うんですが、どうでしたか?
佐藤琢磨:レースで起こるすべてのことを予想するのは不可能なんだけど、僕らとしては、3ストップで行くとしたら12周目ぐらいからピットストップを始めていいだろうと考えてました。自分たちとしては、最後まで行けるっていう燃費に対する自信はありました。フューエルセーブもしながら、なおかつレッドタイヤのおいしいところを使うために飛ばしまくりました。単独での走行になってる時間帯は、ちょっと心もとないというか寂しかったですけどね。かなり後ろからウィル(・パワー)が迫ってた時は、今日はもう無理かな? とも思ったんだけども、その時もハイペースを維持していたことが、結果的にイエローが出た瞬間に、前の集団に追いついた時の自分たちのポジションを救ってくれたし、それから少しずつポジションを上げて行くことができましたね。
僕らのチームはレイホールの直観に対して
いろいろ動ける力を持っている
――燃費もセーブしつつ、スピードもあった。作戦通りに琢磨選手が走っていたということですよね? KVレーシング・テクノロジーは、作戦が良くなかったために3人ともピット・インを多く行い、上位フィニッシュを諦めるしかない戦いになっていたところがありました。
佐藤琢磨:はい。そのことはよく知ってます。今日の自分たちは、ストラテジーが良かったし、強力なエンジニアたちがいてくれることで、良い戦いができていましたね。僕らのチームはボビー・レイホールの直感に対して、いろいろと動ける力を持っています。それは今シーズン、すでに何度も皆さん見てきている通りです。ボビーと僕はすごく馬が合うというか、波長が合うんでね、僕もこのタイミングだなって思う時とかあるんですけど、そこでピットに呼び入れてくれてます。いい感じで来てますね。
今日は抜けるコースだったので、ミスをリカバーできたのが大きかった
――ピットスピードペナルティを受けてしまったのは、入って来る時でしたか、出て行くところでしたか?
佐藤琢磨:入りの方だったと思いますね。入るところでちょっと行き過ぎてた。でも、インディーカーだから平気かな? って思ってたんです。実際にはすごく厳しかったですね。それから、今日の僕らはピットストップは正直言って2回ともあんまり良くなかったですね。ホイールがうまく嵌らなかったりとか、大幅に順位を落とすこともありました。でも、その後にオーバーテイクができていました。今日は抜けるコースだったので、そこがすごく大きなポイントですよね。自分でポジションを挽回できたのが良かったと思います。
――ピットストップでグレアム・レイホール、シモン・パジェノーという2人にパスされたこともありましたよね?
佐藤琢磨:そうでした。今日は何度か、面倒な展開になった時がありました。多分、僕は他のドライバーにとっては面倒な存在だとも思うので……。今日はストラテジーと、自分の走りによって、ペナルティとピットでの遅れをリカバリーできてました。力強く走れたかな、と思います。
(続く)
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