2012年3月29日木曜日

INDYCARインサイド情報&ニュース:2013年からのエアロキット解禁に向け、早くもエアロバトル開戦の様相に

ホンダは早くもエアロキット開発が既定路線

 ダラーラの新車、どう思います? さすがに9年も見続けた前モデルに比べると速そうなルックスですよね。フロントウィングはいい。リヤはどデカいフラップがおっ立ち過ぎてる感アリだけど。……で、めちゃくちゃ気が早いけど、来年からのエアロキットの話を。
 インディーカーのエアロキットは1年遅れの2013年にデビューする。本当なら、新シャシー導入と一緒に今年からエアロバトルも始まる予定だったが、「チームオーナーたちの経済的負担が大きくなり過ぎ。新車導入で大金が要るのに、エアロキットまで買わされるのは……」という理由で1年先送りにされた。おかげで……なのか、セント・ピータースバーグでの開幕戦には26台ものエントリーが集まった。


 エアロバトルが始まらなかったのは、上記の理由より、不利に陥る可能性のある誰かが、それを防ぎたかったからでは?
 ホンダはニック・ワース率いるイギリスのワース・リサーチ社と提携してて(CART時代からの関係で、スポーツカー開発を一緒に行って来ている)、彼らがHPDとの共同でエアロキットの開発、製作を行う。正式に発表はしてないけど、それが既定路線。ワースの姿はセント・ピータースバーグでも見られた。彼らはエアロキットを出す気満々なのだ。
 ホンダがやるなら、シボレーだってオリジナルで対抗しなくちゃならない。ロータスは……、ウーン、彼らの場合はエンジンの戦闘力を引き上げるのが先決。あと、供給台数を増やせるようにもすべきでしょう。ホンダが開幕10台でインディー500からレギュラーは11台。シボレーは最初っから11台体制。それがロータスは5台と、ライバル2社の半分。インディー500ではホンダもシボレーも14台に体制拡大。ロータスが5台だと、ギリギリ33台でしかない。予選落ちなしじゃツマラナイから、ロータスには1台だけでいいから増やして欲しい。その1台が予選落ちの最有力候補になっちゃうけど。F1、インディーカー、スポーツカー、ラリーとロータスは手を広げ過ぎ(ラリーカーはカッコイイけど)。なんだか、今あるカネをできるだけ早いとこ使っちまえ! ってな意図が感じられる。

メーカー系3社に加えてもう一社エアロバトルに参戦か?

 ……と、話が逸れた。
 2013年からのエアロキットバトル、ホンダ、シボレー、ロータスに加えて、さらに1社が参入して来るという噂。その1社とはどこで、誰と組むのだろう。
 ダラーラはベースシャシーと、それに付随するパーツのサプライヤーに徹し、エアロバトルには絡んで来ない。インディーカーのルールでエアロキットは1セット=75,000ドル(=約620万円)と価格がフィックスされちゃうから、儲けは期待できないし、競争で負ければ逆の宣伝効果を作ってしまうだけ。それよりシャシーやパーツをせっせと作って売ってればガッチリ利益が出せる。新型シャシーは60台近いオーダーが既にあって、そのほとんどをデリバリー済み。噂だと、チップ・ガナッシ・レーシングのターゲット勢は、ドライバーひとりにつき3台をあてがわれているんだと。チップは4カー体制だから、10台も買ったってことかぁ。
 2013年に出て来るマシンは、現行ダラーラと大きく異なるルックスになるんだろうか? 例えばリヤタイヤの後ろにくっついてるガランドウの箱。アレって見た目からは整流効果を狙ったものとの印象を受けるけど、実際には空力を乱してるらしい。ホイール同士の接触=大きなクラッシュを防ぐためのものだ。リヤタイヤ前のサイドポッドの膨らみ具合にも賛否両論が出てる。それ以外でも、曲面が多いデザインはスポンサーロゴを乗っけにくく、大幅に短くなったサイドポッドによりスペースも減ってる……・なんて不満の声が。他社から出る来年用エアロキットでマシンがどう変わるのか? 大きくは変わらないのか? ルールの詳細はまだ未発表。
 ホンダ、シボレー、ロータスの3社に挑もうというもう1社はどこの誰なのか、どんな魅力的プロダクトを出して来るのかも楽しみに待つことにしよう。

5 件のコメント:

  1. はじめてコメントします。いつもGAORAの中継見ています。来年からのエアロキット楽しみですね。全車同じ形というのは観ていてつまらないものですからね。でも空力を追求しすぎて格好悪いのだけはやめてほしいですね。今年のインディカーもロード仕様のウィングのデカさが気になるのですが。。。モータースポーツってマシンが格好良いのは大前提だと思うんですが、どうなんでしょう?インディカーはまだ格好良い方だと思いますが…

    返信削除
  2. Sunny78さん、コメントありがとうございます。
    返事が遅くなりましてすみませんでした。
    更新係、個人の感想としては、新しさと、ファンの目に慣れているレーシングカーの形、のいいところをとったかなと思っています。あまり時代を先取りしすぎて奇妙なマシンで争われても、なんか異次元的すぎて応援しにくい(?)ですからね。
    この先、きっと具体的な話が進んで、情報が出てくると思うので、ジャックにはアンテナを張ってもらうように伝えておきました。楽しみに待っていてくださいね。(更新係)

    返信削除
  3. Sunny78さん、決勝前のタイミングでジャックから返答がありましたので、お伝えしますね。

    「Sunny78さん、コメントありがとうございます。今年から走り出した新インディーカー、好き嫌いは人それぞれでしょうけど、去年までのよりは絶対にルックスはいいデスよね。チームやスポンサーのカラーリングセンスも重要で、特にリヤタイヤ前のボリュームあるサイドポッドをいかに上手に使ったデザインにするかがカギみたい。来年からのエアロキットが、どんなモノになるのか……。今年使ってるダラーラを徹底的に研究して、弱点をカバーし、さらにオリジナルのアイディアを盛り込んで……というものになるんでしょうね」

    とのことです。まさかカラーリングのコツまであるとは思いませんでした。となると、速さに影響を与える部分は力がかなり入るかもしれません。今季が始まったばかりですが、来シーズンが楽しみです!(更新係)

    返信削除
  4. 更新係さん、Amanoさん。
    丁寧なご返答ありがとうございます。

    やはり好みは人それぞれでしょうけど、私としてはマシンのデザイン面で今年からの観戦意欲(TVですが)が大幅に上がったことは間違いありません。それだけに生で見やすい茂木での一戦がなくなったのは辛いですね。。。

    とくに先日行われたIMSでのテスト時の、リアウィングのデザインは素晴らしいですね(翼端版との間に隙間があるのはどういう効果があるのかは分かりませんが)。フロントウィングも当然スーパースピードウェイ用のスッキリとしたもので全体的にとても美しいですね。

    惜しいのはインダクションポッドがでかすぎる面くらいですかね(クルクルカメラも目立つ)。それ以外の外見部分は93年ころのマシンを思い出させますね。

    ところでこの格好の良いスタイルのマシンでのレースが見れるのは、インディ500以外にどのGPなのでしょうか?スーパースピードウェイだけですか?ショートオーバルはほぼロードと同じなのでしょうか?今年からオーバルが減っただけに個人的に物凄く気になってます。

    返信削除
    返信
    1. Sunny78さん、かなり細かいところまでチェックされてますね、現物を生で見ているジャックの感想(下記)がきました。少々心配な麺もあるようですが……。(更新係)

      オーバル用マシン、そのスーパースピードウェイ仕様は、まだ実物をキッチリ見ていないので、コメントは控えさせてください。ただ、DW12に関しては心配な点があります。リヤ・ベビーであることは、オーバルでのレースに向かないのでは? と考えられる点。また、ダウンフォースが大き過ぎる設計で、オーバルでの操縦性に安定感があり過ぎるのでは? というところ。コーナーでスロットルをリフトする必要があるマシンでないと。テキサスでのレース開催に対しても、どんな判断が、どのような理由から決断されるのか注目すべきでしょう。

      削除