第1戦ホンダ グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ
2012 IZOD INDYCAR SERIES Round 1 Honda Grand Prix Of St. Petersburg
フロリダ州セント・ピータースバーグ
コースタイプ:ストリート
全長:1.8マイル(=約2.897km)×100周
予選:3月24日
天候:快晴
気温:27℃
新型ダラーラシャシー、ホンダ、シボレー、ロータスによる新型エンジンで争われるインディーカー・シリーズ、その最初の予選が開催された。
新型マシンでの戦いならではの事態はQ2で起きた。ポールポジション候補の上位に挙げられていたチップ・ガナッシ・レーシングのふたり、ダリオ・フランキッティとスコット・ディクソンが12人中の7位と10位に終わり、ファイナル進出を逃したのだ。
ファイナルに駒を進めた6人をQ2のタイム順に並べると、トップはジェイムス・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポーツ)で、2番手がウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、3番手がライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)、4番手がシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、5番手がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)、6番手がエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。
そして、この中からポールポジションを獲得したのはパワーだった。セント・ピータースバーグでの3年連続ポールポジションだ。
飛行場の滑走路と、市街地道路を利用した全長1.8マイルのコースで彼がファイナルステージで記録したベストラップは、1分01秒3721。去年のポールタイム=1分01秒9625を悠々と破るものだった。それだけ新型マシンのポテンシャルは高いのだ。ブリスコー、ハンター-レイまでのトップ3が去年のポールタイムを上回った。
「インディーカーへと戻って来たシボレーに最初のポールポジションをプレゼントできたことを嬉しく思う」とパワーは喜んでいた。
予選でファイナルへと進んだ6人のうちの5人がシボレーエンジン搭載だった。そして、彼らがトップ5を独占した。レッドタイヤの使用といった面を含め、マシンセッティングの重要性が高いのは確かだが、セント・ピータースバーグのコースではシボレーエンジンが、ホンダエンジンに対して若干のアドバンテージを有しているということは十分に考えられる。しかし、その差は決して大きなものではない。むしろ、非常に接近していると捉えた方が良いだろう。プラクティス3回と予選が行われたことで、ロータスの出遅れぶりも同時に明らかになった。
ホンダ勢で唯一ファイナルに進んだのは、ルーキーのシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)だった。ホンダがその能力を高く評価するパジェノーは、期待に応えるパフォーマンスをシーズンスタートから見せたのだ。彼が予選で6位に終わったのは、ただひとりブラックタイヤを装着しての戦いだったからでもあった。
彼らがブラックを選んだのは、昨日のプラクティス中にエンジントラブルが発生して十分な走行を行えなかったため、予選時間を利用してマシンセッティングをさらに推し進めようと考えたからだった。スケジュールされていないエンジン交換を行った彼らは、ルールにより10グリッドの降格がなされる。後方からのスタートになるのだから、ブラックタイヤで1周でも多く走り、情報を得ようと考えたのだ。予選までのパフォーマンスから見て、パジェノーにはレースでの活躍も十分に期待ができそうだ。
佐藤琢磨は予選15位だった。プラクティス3まで苦戦をしていたが、Q2進出は最低でも実現するとの意気込みを彼は持っていた。しかし、それは叶わなかった。ソフトコンパウンドのレッドタイヤに合わせたセットアップ変更はまずまずのものになっていたようだが、それによって得られたゲインが期待より小さかった。
「予選に向け、進歩を果たしていました。レッドタイヤに対するセットアップ変更も良いものになっていたと思います。3回のプラクティスと予選で試したセットアップのデータを全部見直し、決勝でのセットアップをどういうものにすべきか考えます」と琢磨はレースでの上位進出に照準を合わせていた。
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