2012年3月8日木曜日

2012 IZODインディーカー・シリーズ 佐藤琢磨コメント1 3月7日プレシーズンテスト メディアデイ 「DW12はダウンフォースも高く、ロードのパフォーマンスはとても高いです。今年はシャシーだけでなくエンジンの開発にも携わることができるので、試したことがうまくいくかどうか、そのあたりが今シーズンのレースを面白くすると思います」

 今日、セント・ピータースバーグに佐藤琢磨も姿を現した。明日からのテスト、そして新しいシーズンへの抱負を聞いた。

2回のテストで遂げた進化に確かな手応え

Jack Amano(以下――):新チームでのシーズンが始まりますね。ボビー・レイホールのチームはどうですか?

佐藤琢磨:歴史のあるチームであるとはいえ、完成されたパッケージの中へと飛び込んだんじゃなくて、今回は「チーム再結成」という形です。新しいインディーカーのプロジェクトで、新しいメンバーも加わっています。だから、少し時間はかかるかもしれないけれど、すでに行った2回のテストで大きな進歩を遂げているので、すごく楽しみにしています。

――明日からの合同テスト2日の後、さらにテストを行いますか?

佐藤琢磨:いえ、しないです。

――では、開幕前の最後のテストとなる明日と明後日、何がメインテーマとなるんでしょう?

佐藤琢磨:もちろんクルマを進化させるのはいつもどおりです。いろんなテストプログラムをやらなくてはいけないです。ただ、今はまだ僕らは1台体制なので、テストプログラムでやりたいことの全てを試すことはできません。何を優先して行うべきなのか、慎重に選択を行う必要がありますね。あとは、ピットストップの練習も、まだ1回もできていないので、今回、チーム全体のパフォーマンスアップを果たすべく、やっておくことになります。今回のテストではエンジニアも全員揃うので、そこらへんの流れも大事になってきます。

――エンジニアの話は、おいおい聞いていきます。

佐藤琢磨:はい。

非常に高いニューマシンのロードでのポテンシャル

――今年から始まるエンジン競争はどうですか? 琢磨選手はホンダ・エンジンで走りますが、ライバル勢の実力など、どんな印象をこれまでのところ持っていますか?

佐藤琢磨:前回一緒に走った時には、まだロータスはフルブーストになっていないみたいな話でしたから、多少の差があったようですけど、開幕までには彼らもエンジンを仕上げて来るでしょうね。シボレーとホンダはかなりコンペティティブな争いをテストの時から見せているので、実際にレースで戦うのが楽しみですね。

――新シャシーはどうでしょう? DW12はロードレースでの使用を十分に考慮して設計されたもの
ですが、フィーリング、ポテンシャルなどはどんな印象ですか?

佐藤琢磨:オーバルはまだ走ってないんですけど、ロードでのパフォーマンスは去年のクルマよりずっと高いところにあります。ダウンフォースも高いし。でも、色々な方向性を見ていくとウィンドウっていうか、コンペティティブなラップタイムを出せる幅っていうのは意外と狭そうです。

――旧型マシンより走らせていて楽しいですか?

佐藤琢磨:やっぱり、ラップタイムが良くない時は楽しくないですね。でも、色々な部分で進化を遂げているし、特にブレーキはカーボンになって、今まではカーボンはオーバルでだけ使ってたんだけど、今年からはロードでも使えます。ロードでこそカーボンブレーキは真価を発揮するので、安定したブレーキパワーが得られることは、レースでも良い効果を表すことと思います。クルマのフィーリング自体は、去年までのものとそんなにかけ離れてはいないんですよ。同じようなカンジはある。やっぱり、それは重さから来ているんだと思うけど……。ただ、今年からはターボエンジンなので、パワーの出方とかは全然違っていて、そのあたりがレースの鍵を握ることになるかもしれない。

エンジン競争のカギとなりそうな3つのブーストレベル

――コースのよって異なるブーストレベルが設定されるルールになるということですね? そうすると、コースによってエンジンのフィールなども変って来るということですか?

佐藤琢磨:ブーストレベルの違いは、スーパースピードウェイ、それ以外のオーバル、ロード&ストリートに分けられるのですが、確かに、エンジンメーカーによってブーストレベルの違いが多少のパフォーマンスの違いとなって現れることは考えられますよね。ひとつのメーカーのエンジンが、三つあるブーストレベルのひとつかふたつに特性が合ったり合わなかったり……ということは出てくるかもしれない。そのあたりは、逆に競争がおもしろくなるところ。ドライバーやチームにとっては、ブーストレベルが三つ存在することがそんなに大きな違いになはらないですね。

エンジンを進歩させようというユーザーチームの結束が頼もしい

――今年からシャシーのセッティングに関してだけでなく、エンジンのパフォーマンスに関しても注文を出すことができます。今までのインディーカーとは違ったレースになりますね。

佐藤琢磨:そうですね。そのあたりは、各メーカーごとにユーザーチームが力を結束して、とにかく進歩させようって動きがあります。それはすごく頼もしい。エンジンに関しては、自分たちだけじゃなくて他のチームからのインプットなどもあって、テスト毎に良くなっていることを感じられてます。僕らの場合、前回のテスト2回は連続していたので、エンジンは同じ物を使ってやりましたけど、マッピングを変えたりはしました。12月にマニュファクチャラーテストをやらしてもらった時には、新しいマクラーレン製の共通ECUを使っていかにパフォーマンスを上げるかということをやったんですが、その開発みたいのは楽しかったですね。

――エンジンの開発なども重要な要素なって関わって来る今年からの戦いでは、F1でマシン開発に携わった経験が有利に働くのでは?

佐藤琢磨:どうなんだろう? わからないけれど、でも、チームを含めて新しいアイディアとか、試したことがうまく行ったり行かなかったりはあると思うので、そのあたりがレースを面白くして行くんだろうと期待しています。

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