2012年3月25日日曜日

2012 INDYCAR レースアナリシスR1part3:パジェノーがファイナルでブラックタイヤを使った理由

プライマリータイヤ=ブラックタイヤで予選ファイナルを走ったシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)。彼は走行後に「予選ファイナルをレッドではなくブラックで走ったのは、ひとつのギャンブルだった。何か違う作戦を採る必要があったんだ。自分たちには昨日のエンジン交換に対するペナルティで10グリッド降格が課せられることがわかっていたのでね。今回のギャンブルは自分たちの期待通りの結果には結びつかなかったけれど、リスクを冒す価値はあったよ」とコメントした。

 彼らがブラックでの連続アタックにチャンスを見出していたことは事実だろう。しかし同時に、決勝の大半を戦うのはブラックタイヤなので、ブラック装着でのパフォーマンス向上を目指してデータ収集を行っていたのだった。
 パジェノーのマシンに搭載されていたホンダエンジンは、プラクティス2でトラブル発生。規定のスケジュール以外でのエンジン換装は、10個のグリッド降格というペナルティが課される。それが今年からのルールだ。予選で頑張ってもグリッドは下げられる。ファイナル進出は狙い通りに果たしたことだし、中団から戦うことになるレースを見据え、エンジントラブルで失われた走行時間を少しでもリカバーし、ブラックでの走りを良いものにしようと彼らは考えたのである。

 パジェノー、そしてシュミット・ハミルトン・モータースポーツのマシンは間違いなく速い。プラクティス3でのトップタイム記録、予選でのトップ6進出がそれを証明している。その速さを持ちながら16番手スタートとなる彼は、いったいどんなレースを見せてくれるんだろうか?

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