2011年9月24日土曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:アンドレッティがシボレー陣営に加入。琢磨擁するKVはホンダかロータスか? シボレー採用の噂も!?


Photo:INDYCAR

 アンドレッティ・オートスポーツの来季からのエンジンがシボレーになることが発表された。彼らがシボレーユーザーになる話はこれまでにも噂には上っていたが、2003年からIRLのインディーカー・シリーズへとスイッチした際にはホンダのワークスチームだったというのに、来年からはシボレーの第二チームとなるのだ。

2011年9月21日水曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント87 第15戦インディ ジャパン ザ ファイナル Race Day 決勝レース後記者会見 「僕としては非常に苦い最後のインディジャパンになった。だから、次こそファンのみんなに思い切り「ありがとう!」と言えるレースを見せたいというか気持ちが強くなっています。それが今後、インディジャパンで叶えられないのは残念です」

Photo:Naoki Shigenobu

アクシデントがなければ上位進出は十分可能だった……

 予選11位からレッドタイヤ装着でスタートした佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)だったが、実はそのレッドは予選で使ったユーズドのレッドだった。予選のトップから9位までがフレッシュレッドを装着。琢磨はちょっとしたギャンブルに出たのである。もっとも、彼の前からスタートしたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、それ以上に大胆なフレッシュブラックでのスタートを切っていたが……。
 琢磨は最初のスタートでそのアンドレッティの前に出るつもりだったが、それには失敗した。二列スタートはツインリンクもてぎの最終コーナーがS字状のため、トップから3列ぐらいまでしか整列しないうちにグリーンフラッグとなるからだった。

2011年9月18日日曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル Day3 決勝 武藤英紀コメント 「あのフルコースコーションがなければどうなっていたのかな、というのはあります。苦しい展開になりましたが、お客さんにも支えられて最後まで本気で走りきることができました」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
不運で潰えた3ストップ作戦

 予選22位だった武藤英紀(AFS/サム・シュミット・モータースポーツ)は、スタート前から3ストップ作戦で行くことを決めていた。その作戦は見事に当たったかと思われたが、レースコントロールの不可解なタイミングでのフルコースコーション提示によってチャンスを潰されてしまった。最終コーナー付近のランオフエリアにマシンがストップした時、すぐさまイエローを出さず、トップグループがピット作業を終えたタイミングでフルコースコーションになったのだ。
 そのタイミングで武藤は2回目のピットに向かってしまった。武藤のすぐ後ろを走っていたドライバーは7位までポジションを上げたというのに、武藤は25位まで順位を下げ、そこからもう一度追い上げなくてはならなくなった。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント86 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル Day3 決勝「最後のリスタートのチャンスをつかめなかったことが悔しいです。今日は目指すところまで行けませんでした。応援してくれているファンのみんなのために、もうちょっと良いところを見せたかったですが、最後のインディ ジャパン、難しい中でゴールまで走り切れたことは良かったかなと思います」

Photo:INDYCAR(LAT)
第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル
2011 IZOD INDYCAR SERIES Round15 INDY JAPAN THE FINAL

栃木県 ツインリンクもてぎロードコース
コースタイプ:ロードコース
全長:4.801㎞×63周

Day3 9月18日
決勝 10位 1時間56分51秒1294(10秒1187遅れ) 63周完走

2011 INDYCAR レースプレビュー 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル:タイヤと燃料 ピットウインドウは20~22周

満タンスタートなら2ストップが可能

 全エントラントにエンジンを供給しているホンダ・パフォーマンス・デベロップメントによると、今日のレース、ピットウィンドウは20~22周になるという。
 レース周回数は63周なので、満タンでスタートすれば2ストップで走り切ることが可能ということだ。
 しかし、武藤英紀はウォームアップ後に3ストップ作戦について話していた。
 これは、今回のレースが実に珍しい状況にあることを意味している。燃料が空になる前に、タイヤのグリップが大きく下がって、ラップタイムも大ダウンという可能性が考えられるのである。3ストップにした方が有利かもしれない。
 今日はレースウィークエンドで気温、路面温度ともに一番高い。タイヤにとっては益々厳しいコンディションだ。
 ランオフエリアが広いツインリンクもてぎだけに、フルコース・コーションが出る回数は少ないかもしれない。レース展開に適した作戦をベストのタイミングで採用できるか否かが勝敗を分けることとなるかもしれない。

2011 INDYCAR レースプレビュー R15 インディ ジャパン ザ ファイナル 決勝スタートタイヤ

1    9    スコット・ディクソン            オルタネート
2    12    ウィル・パワー                 オルタネート
3    38    グラハム・レイホール           オルタネート
4    6    ライアン・ブリスコー            オルタネート
5    06    ジェイムス・ヒンチクリフ       ユーズド・オルタネート
6    3    エリオ・カストロネベス          オルタネート
7    83    チャーリー・キンボール         オルタネート
8    18    ジェイムス・ジェイクス         オルタネート
9    10    ダリオ・フランキッティ         オルタネート
10    26    マルコ・アンドレッティ              プライマリ-
11    5    佐藤琢磨                             ユーズド・オルタネート
12    34    ジャアオ・パオロ・デ・オリベイラ    オルタネート
13    59    EJ.ビソ                         オルタネート
14    19    セバスチャン・ブルデー          オルタネート
15    77    アレックス・タグリアーニ        プライマリー
16    2    オリオール・セルビア             プライマリー
17    28    ライアン・ハンター-レイ        プライマリー
18    22    ジョルジョ・パンターノ          プライマリー
19    4    JR.ヒルデブランド                プライマリー
20    27    マイク・コンウェイ              プライマリー
21    24    アナ・ベアトリス                プライマリー
22    17    武藤英紀                        プライマリー
23    7    ダニカ・パトリック               プライマリー
24    14    ヴィトール・メイラ              プライマリー
25    82    トニー・カナーン                プライマリー
26    26    シモーナ・デ・シルベストロ      プライマリー

特記ないものはすべて新品タイヤ

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラインタビュー「フォーミュラ・ニッポンのマシンはロードコース用で、インディカーはもともとオーバル用。だからフォーミュラ・ニッポンのマシンのほうがインディーカーよりもハンドリングはずっと良いし、ドライビングもインディーカーより簡単だと思う。インディカー・ドライバーたちはそういうマシンをうまく操って早く走らせている」

Photo:INDYCAR(Brian Simpson)
初挑戦の予選でレッドタイヤにも素早く順応

 今回がインディーカー・デビューのジョアオ・パウロ・デ・オリベイラ=フォーミュラ・ニッポン・チャンピオンは、走り慣れたツインリンクもてぎのロードコースで目覚しい活躍を見せている。
 3回あったプラクティスを総合しての順位は20番手だったが、初挑戦となった予選では、初めて使うレッドタイヤにも素早く順応し、第1セグメントのグループ1で4番手につけ、第2セグメント進出を果たしたのだ。同じグループで第一セグメント敗退を喫した中には、ロードコースでの優勝経験を持つトニー・カナーンやライアン・ハンター-レイもいた。
 デ・オリベイロの走るコンクェスト・レーシングは1台体制。アドバイスをくれる先輩もいないし、情報交換を行うチームメイトも存在しない。第2セグメントでの彼は12人中の12位となったが、幾らメンバーに恵まれたグループ1だったとはいえ、初挑戦での第1セグメント突破は高く評価されるべきものだ。

 
Jack Amano(以下――)::初挑戦のインディーカー、この2日間はどんな感じで進行して来てますか?

ジョアオ・パウロ・デ・オリベイラ:まったく新しい経験となっている。インディーカーというマシンは、僕が今まで乗って来たものと完全に違っているから。昨日のプラクティスからマシンを学ぶことに努め、走行を重ねるに連れてその理解を少しずつ深めて来ている。自分としては、僕らの仕事ぶりは良いと感じている。着実に進歩を遂げて来ているからね。

――予選では初めてレッドタイヤをトライしていましたね。一度も試したことのないタイヤでしたが、どうでしたか? タイヤのフィーリング、そして自分の走りやマシンセッティングに対する評価を教えてください。
オリベイラ:レッドタイヤについては、自分に経験がゼロだったが、第1セグメントでは良い走りができていたと思う。グループ1で4位になれたんだからね。そして第2セグメントに進んだワケだけれど、第1セグメントよりプッシュして走ろうと思っていたら、多分、自分がマシンを振り回し過ぎてしまったんだろうね、タイムロスをしちゃっていたようだった。

――12位というポジションをどう思いますか?
オリベイラ:今日の予選では、ライバルたちとのラップタイムが本当に接近していたね。僕があとコンマ2秒良くできていたら、ポジションはトップ8に入れていた。でも、そんなに自分を責めるべきでもないと思う。僕にとっては初めてのレースなんだからね。

――今回インディーカーにチャレンジしたのは、将来的にアメリカでインディーカー・シリーズに参戦したいということなのかな?

――フォーミュラ・ニッポンの競争も激しいと思うけれど、インディーカーで実際に走ってみて、どういう印象を持ちましたか?
オリベイラ:フォーミュラ・ニッポンのマシンの方が、インディーカーよりもハンドリングはずっと良くて、だからドライビングもインディーカーよりもずっと簡単だと思う。マシンのグリップも断然高い。タイヤもフォーミュラ・ニッポンのものの方が路面への食いつきが良い。今のインディーカーはオーバル用に設計されたものと聞いている。それで、フォーミュラ・ニッポンのマシンの方がロードコース用に正しく設計されたマシンになっている。でも、そういうインディーカーに慣れ、そのマシンをうまく操ることが僕らの仕事だ。インディーカー・ドライバーたちは、そうやってこのマシンを速く走らせている。
――インディーカーは重く、それが問題?
オリベイラ:いや、重さによってドライビングがしにくくなっているとは思わない。実際、マシンの重さというものはそれほど感じないんだ。その理由は、マシンに大きなグリップがないから。ドライブすることに対しては軽く感ずるぐらいだ。ブレーキングでマシンは止まらない。フォーミュラ・ニッポンのマシンと比べても。

――インディーカーはブレーキのキャパシティが小さい?
オリベイラ:そうだね。車重に対してブレーキが小さい。今回供給されていいるタイヤのグリップ力も関係しているのかもしれない。
――来年からインディーカーは新しいシャシーになる。エンジンの競争も始まるし、そのマシンならもっと楽しく走れるのでは?
オリベイラ:新シャシーの方がおもしろいだろうね。
オリベイラ:将来のことはわからない。僕は日本で走っているけれど、自分の置かれている状況にとても満足しているから。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル Day3 ウォームアップ:武藤英紀、ウォームアップ14番手に「ブラックでスタートして赤、赤、赤でつなぐ作戦で行こうと考えています」

武藤英紀は決勝4スティント作戦を想定してウォームアップを走行。
Photo:Naoki Shigenobu
チームメイトともども着実にセットアップ向上を果たす

 予選は22番手だった武藤英紀(AFS/サム・シュミット・モータースポーツ)だが、決勝日朝のウォームアップでは14番手につけた。チームメイトのアレックス・タグリアーニも15番手とほぼ同じ位置にいた。久しぶりのインディーカー・レースとなる武藤だが、決勝に向けての準備は着々と進めることができている様子だった。

――この30分間で何をやったんですか? いいウォームアップにできましたか?

武藤英紀:満タンで走ることが今回やることの最初でした。それと、レッドタイヤを試したかったんですけど、決勝に取っておくことになりました。というのは、今日のレースがおそらく3ストップの、つまり4スティントになるから、ブラックでスタートして赤、赤、赤で繋ぐ作戦で行こうと考えてます。

――ブラック、レッドの耐久性はどうなってるんでしょう?

武藤:英紀:耐久性というか、黒は表面でどんどん滑ってっちゃって内圧が上がっちゃうんですよ。赤の方は、スライドが少ない分、内圧のコントロールはし易いですね。ブラックだと結構滑るんでね、滑らない時は内圧が上がらなくて、滑り出すと一気に上がっちゃう。

――ブラックでの周回数を減らす。そういう作戦が良いと考えられるんですね?

武藤英紀:そう思いますね。僕らはそう考えてます。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント85 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル Day3 ウォームアップ 「予定していたセッティングの確認や調整などができませんでした」

Photo:Naoki Shogenobu
第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル
2011 IZOD INDYCAR SERIES Round15 INDY JAPAN THE FINAL

栃木県 ツインリンクもてぎロードコース
コースタイプ:ロードコース
全長:4.801㎞×63周

Day3 9月18日
ウォームアップ 1分40秒7471 20位 9周走行

佐藤琢磨、ウォームアップも不完全燃焼の20位

 快晴の空の下、昨日までより蒸し暑いコンディションでファイナルプラクティス=ウォームアップセッションは行われた。燃料を多く積んだ決勝用セッティングの最終確認、ブラックとレッドの両タイヤの評価、決勝用のタイヤのスクラビングなどが行なわれる重要なセッションだが、これは30分間と短い。しかも、今回は2台のマシンのコースオフにより、実際に与えられた走行時間は12分程度となっていた。
 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)はいつも通りにブラックタイヤの新品を履いてセッション開始。1ラップでスクラビングを終え、ユーズドのブラックへとタイヤを交換。マシンのチェックを始めた。しかし、4周を走ってピットインすると、ここで長い時間ストップ。この間にイエローが出て、それが解除されてコースに復帰すると、すぐさま2回目のコーション。最後は残り1分プラスでの走行再開となったが、ここからは走れたのは2連続のラップだけ。結局、琢磨は9周が計測されたが、ベストは最終ラップの1分40秒7471で、26台数中の20番手にランクされるものだった。このラップがなければ彼は今週2回目のセッション最下位となるところだった。チームメイトのEJ・ビソは18番手、トニー・カナーンは21番手と、3人揃って決勝直前のプラクティスでのパフォーマンスは芳しくなかった。


Jack Amano(以下――):あまり走れませんでしたね?

佐藤琢磨:そうなんですよ。

――ピットに長く留まっていましたが、何かマシンにトラブルが出たんですか?

佐藤琢磨:トラブルっていえばトラブルでした。自分たちが考えていたプログラムで、替えるべきものがあったんですけど、それが準備されていなかったんです。

――決勝に向け、タイヤの評価、セッティングの確認や調整などができなかったということですね?

佐藤琢磨:全然できなかった。タイムを取れたラップはハッキリ言って最後の1ラップだけだったから……。

――最後はレッドタイヤを装着しての走行でした。その1周で得た感触は?

佐藤琢磨:それはそこそこに良かった。でも20番手ですよ。

――決勝を前に苦しい状況になってしまっていましたが、頑張ってください。

佐藤琢磨:はい。頑張ります。

ウォームアップの最後、レットタイヤで走行する佐藤琢磨。
Photo:Naoki Shigenobu

2011 INDYCAR インサイド情報&レポート 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル:コンクエスト・レーシングオーナー、エリック・バシェラールインタビュー「オリベイラのパフォーマンスはファンタスティック!」

Photo:INDYCAR
オリベイラの起用で今シーズン初のQ2進出

 エリック・バシェラールは、全日本F3選手権への出場経験も持つベルギー人。アメリカでは91年にインディライツでチャンピオンになっている。初めて走ったオーバル=フェニックスの1マイルでいきなり優勝しちゃったのは衝撃的だった。その後CARTシリーズにステップアップし、97年からはチーム・オーナーとしてCART、その後インディーカーにコンクェスト・レーシングを出場させている。

Jack Amano(以下――):日本でJP・デ・オリベイラを走らせることになったのは?

バシェラール:私たちは開幕戦からルーキーのセバスチャン・サーベドラを走らせて来ましたが、インディ ジャパンからのシーズン終盤の3レースでは彼を使わないことになっていたんです。我々のチームはドライバーを探していて、ロジャー安川がJP・デ・オリベイラとの間を取り持ってくれました。交渉はスムーズに進み、今回の参戦に漕ぎ着けることができました。セレモニーがサポートをしてくれることが決まり、JPにインディーカーデビューのチャンスを用意することができました。JPは毎年インディジャパンを見に来てたんです。このレースへの出場に強い興味を持っていました。

――サーベドラの予算はボルティモアまでだったんですね?

バシェラール:そうです。

――ケンタッキーとラスベガスでは誰を走らせるのか決まっていますか?

バシェラール:ケンタッキーではインディライツで走っている若手を起用する計画です。ラスベガスは未だ決まっていません。

予選でオリベイラはフォーミュラ・ニッポン王者の実力を見せつける。
Photo:INDYCAR(Brian Simpson)
――今週起用しているJPのパフォーマンスはすごく良いですね?

バシェラール:私たちも大変満足しています。確かに彼はツインリンックもてぎのコースをよく知っています。しかし、インディーカーというマシンのことは知りません。タイヤについても知りません。今週インディーカーに初めて乗ったということを考えると、3回のプラクティス、そして予選で彼が見せたパフォーマンスはファンタスティックと表現して良いでしょう。インディーカー・シリーズの競争は本当に激しいというのに、事前のテストも一切行なえず、金曜に初めてインディーカーを走らせたのですから。


――ドライバー経験も豊富に持つ身として、レッドタイヤをどう捉えていますか? 
ユニークなアイディアであることは間違いありませんが、レースをおもしろくする要素となっていると考えていますか? テストができないし、ちょっと未知の部分が多く過ぎているとは思いませんか? ルーキーには大きな不利となりますよね?

バシェラール:私はレッドタイヤは良いと考えています。使い方は作戦にも関わってくるし、おもしろいと思います。もちろん、ルーキーにとっては難しいものですが、我々チームはブラック、レッドの両タイヤについての情報やデータを持っています。それらはサーキット毎に異なりますし、ブラックとレッドのコンビネーションもコースによって変って来ますが、どのレースでも走行前にある程度がわかっている、あるいは、ある程度の予測がついています。これらの状況を考えても、今週のJPの仕事ぶりが素晴らしいと言えるんです。初めてレッドタイヤを使った予選で第2セグメントに進んだんですから。


――金曜の時点で、JPはレッドタイヤについて、予選前のプラクティスで性能を試したいと言っていましたが、実際にはそうしなかったようでしたね?

 バシェラール:私たちは予選で第2セグメントに進める可能性が高いと考え、レッドタイヤは予選用に残すことに決めました。もし予選前のプラクティスで使っていたら、そのセットは予選で最高のパフォーマンスを発揮できなくなりますからね。

――レースも楽しみですね。

バシェラール:はい。JPは経験も豊富ですし、このコースをよく知っていますから、レースでも良い走りが期待できると思います。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第15戦インディ ジャパン ザ ファイナル:ポール・シッターのスコット・ディクソンに聞く

Photo:Naoki Shigenobu

「正統派のサーキットを走り、戦うということは最高の喜びだよ」
――昨日のプラクティス1回目は15番手タイム。そこから今日のポールポジションへと上り詰めたプログラムとは?

スコット・ディクソン:昨日のプラクティスでは路面がまだ全然悪かった。そういう状況では走り出しの数周が微妙かつ重要で、そこで僕はうまいことラップをまとめ上げられなかった。だから僕のポジションは悪かったんだ。昨日のプラクティスでは、多分大多数のチームが2セット目のタイヤを投入していたと思う。でも、僕らは1セットだけにしたんだ。
――昨日の順位、タイムは全然気にしていなかったと。
スコット・ディクソン:そのとおり。僕らは1セットだけの使用だった。全員のラップを1セット目だけで比較したら、僕はトップ3に入れていたはずだよ、ベストのラップを完成させられなかったというのにね。そして、みんなが2セット目を使い始めてから、彼らのラップタイムが僕らのものより良くなった。だから、僕らとしては他チームのことは一切気にせずに、段階的にマシンを良くして行くよう走行を重ねていたんだ。今回のコースは誰にとっても初めてのコース。自分たちとしては、最初っからジックリと時間をかけてコースを学んで行こうって考えを持っていたんだ。それに、ダリオ(・フランキッティ)が走り始めからとても速くて、そこからマシンを進歩させることもできていた。僕らは少しずつマシンのセッティングに変更を施して行き、着々とマシンを良くして行くことができていたんだ。
Photo:Naoki Shigenobu
――ツインリンクもてぎのコースは、実際に走ってみてどうですか? 映像やコース図などのデータだけから想像、想定していたものとイメージはかなり近かった?スコット・ディクソン:僕は2、3年前に乗用車でだけれど、ここを走ったことがあったんだ。でも、やっぱりシミュレーターとかを使っても、実際に自分で走ってみないと目印だとか、色々なことがわからないものだね。それを改めて感じたよ。コースのグリップレベルがどのくらいあるのか、タイヤのパフォーマンスはどの程度なのか、といった部分はわからない。自分たちの想定と違っていたのは、例えばターン4だね。あそこは簡単にアクセル全開で回れると見てたんだけど、実際に来て見たらブラックのニュータイヤでも、レッドであってもフラットアウトでは行けなかった。そういう違いはたくさんあった。でも、正しく作られたサーキットを走るというのは、本当に楽しいことだよ。アップ&ダウンがあって、低速から高速までバラエティ豊富なコーナーがあって……という正統派のロードコースを走り、そこでレースを戦うっていうのは最高の喜びだね。