2011年8月27日土曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:パジェノー株が急上昇、インディ・ジャパンにAFS/サム・シュミット・モータースポーツから出場か?

「結果が期待できる男」として評価がうなぎ登りのパジェノー
Photo:INDYCAR
 今週末、突如としてHVMレーシングからインディーカー第13戦に出場することとなったシモン・パジェノーには、AFS/サム・シュミット・モータースポーツからインディ・ジャパン・ザ・ファイナル出場する話があるという。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:ソノマテストでの謎の07号車のドライバーが判明

シェクターが07号車をドライブ、ボルティモアへ向けてのテストを行った。
Photo:INDYCAR
 先週インフィネオン・レースウェイで行われたプライベートテストには07号車が参加していたが、それはトーマス・シェクターのものだった。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:シモーナがアメリカに入国できず、HVMレーシングはパジェノーを起用

詳細は不明ながら、シモーナはアメリカでのレースに出場することは非常に難しいようだ。
Photo:INDYCAR
 シモーナ・デ・シルベシトロは、先週ソノマで行われたプライベートテストの後に母国スイスに帰っていたが、今週末のレースに向けてアメリカに戻った際に入国ができなかった模様だ。チーム関係者によると、彼女はビザトラブルでスイスに戻った模様。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント73 R13 インディ グランプリ オブ ソノマ Day1 プラクティス1 「あまりにも走る時間が短くて、やりたいことがはたくさんなるけれど半分もできませんでした」

プラクティス前、バッサーと話す琢磨。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
第13戦インディー・グランプリ オブ ソノマ
Indy Grand Prix of Sonoma
Infineon Raceway

インフィネオン・レースウェイ
カリフォルニア州ソノマ
コースタイプ:ロード
全長:2.303マイル(=約3.706km)×75周
Day1 8月26日
プラクティス1 1分20秒9204 23位 11周走行

リベンジの気持ちとは裏腹の結果となったプラクティス1

 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は現在、ランキングトップ10にギリギリ入っている10位なので、プラクティス1回目は30分間のみの走行となった。
 琢磨はタイヤ1セットを使って11周を走り、7周目に1分20秒9204=平均時速102.456mph(=約164.852㎞/h)のベストをマークした。しかし、これは28台出走中の23番手に位置するものだった。トップのフランキッティには1秒4935もの大差をつけられている。KVレーシング・テクノロジー・ロータスは、EJ・ビソが1分20秒3457で8番手につけたが、琢磨同様に30分間しか走れなかったトニー・カナーンは1分20秒8517がベストで、順位は琢磨のひとつ上の22番手だった。今回の第13戦のスタートは非常に厳しいものとなっている。

2011 INDYCAR レースレポート 第13戦 インディ グランプリ オブ ソノマ Day1 プラクティス1 フランキッティがトップタイムをマーク

第13戦インディー・グランプリ オブ ソノマ
Indy Grand Prix of Sonoma
Infineon Raceway
インフィネオン・レースウェイ
カリフォルニア州ソノマ
コースタイプ:ロード
全長:2.303マイル(=約3.706km)×75周
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
チャンピオンシップを争う二人がそのまま上位を独占
 インフィネオン・レースウェイで今日からシリーズ第13戦がスタート。走行初日の今日はプラクティスが1回だけというスケジュール。
 朝方は霧が出て寒ささえ感じるほどだったが、昼前までにはカリフォルニアらしい青空へと変わり、気温も25℃以上にまで上昇した。

2011年8月26日金曜日

2011 INDYCAR レースプレビュー R13 日本時間入りレーススケジュール/ソノマ

第13戦インディー・グランプリ オブ ソノマ
Indy Grand Prix of Sonoma
Infineon Raceway

インフィネオン・レースウェイ
カリフォルニア州ソノマ

コースタイプ:ロード
全長:2.303マイル(=約3.706km)×75周

前年ウイナー:ウィル・パワー

■スケジュール/現地時間=日本時間-16時間
Day18月26日
プラクティス1A14:50〜15:35
(日本時間27日6:50〜7:35)
プラクティス1B15:35〜16:05
(日本時間27日7:35〜8:05)
Day28月27日
プラクティス210:50〜11:50
(日本時間28日2:50〜3:50)
予選14:35〜15:55
(日本時間28日6:35〜7:55)
Day38月28日
ウォームアップ9:00〜9:30
(日本時間29日1:00〜1:30)
決勝13:45〜
(日本時間29日5:45〜)

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:ダニカ・パトリック、来年からNASCARに転向

ダニカのインディーカーフルエントリーは今シーズン限りとなることに。
Photo:Naoki Shigenobu
来シーズンからNASCARネイション・ワイド・シリーズにフル参戦

 これまで長く噂され続けていたとおり、来年度からダニカ・パトリックはNASCARシリーズで戦うことになった。今日8月25日、彼女はスポンサーのゴー・ダディ・ドット・コムの本社があるアリゾナ州フェニックスで会見を行ない、来年からの計画を発表した。
 来る2012年、彼女はNASCARの上から2番目に位置するネイションワイド・シリーズにフル出場し、最高峰のスプリント・カップ・シリーズにも数戦出場する計画だという。ネイションワイドにはデイル・アーンハートJr.がチーム・オーナーのJRモータースポーツから、スプリント・カップにはトニー・スチュワートがオーナーのスチュワート・ハース・レーシングから出場する。どちらもシボレー・ワークスのチームだ。
 「ネイションワイド・シリーズへのフル参戦は今からとても楽しみ。また私の人生は新しい章へと入る」とパトリックは心境を語った。
 まだNASCARの来年度スケジュールがすべて明らかにはなっていないこともあり、ダニカがどのレースに出場するのかは完全には決まっていないという。2月中旬の開幕戦はNASCARシリーズ最大のレースであるデイトナ500だが、それにイキナリ出場する可能性は検討中で、インディー500だけにはスポット参戦を行なう可能性も彼女はまだ完全に否定をしてはいない。
 ダニカを手放すことになるアンドレッティ・オートスポートのオーナー、マイケル・アンドレッティは、「ダニカの新しい世界で成功することを願っている。インディーカーに戻ってくるのなら、我々のチームはいつでも歓迎する」とコメントした。
 インディーカーCEOのランディ・バーナードもコメントを発表した。「ダニカはインディーカーの偉大なる大使で、我々のスポーツに前向きな印象を与えていた。とても多くのファンをインディーカー・レースへと引き入れてもくれもした。モータースポーツに新しいファンを招き入れた。ダニカが魅了したファンは、世界中のスポーツが獲得したいと考えているファン層だった。インディーカーは新しいキャリアのページを開くダニカを喜んで送り出したい。そして、彼女がその世界でも成功を収め続けることを願う」。

インディ500へのスポット参戦をダニカ本人も希望
 果たしてダニカは来年のインディー500に出場するだろうか? もしそうなるとしたら、やっぱりNASCARでお世話になっているシボレーのエンジンを使うチームで……となるのだろうか?? となると……だ、まだアンドレッティ・オートスポートは来年使うエンジンを決めることができていないが、ゴー・ダディ・ドット・コムがスポンサーとして残る可能性大の彼らとしては、ダニカを乗せるためにもシボレー・ユーザーになるってコトなのかもしれない。ホンダの枠ももうほとんど残っていないし、ロータスよりシボレーの方が期待度は高いという見方はできるし……。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニューハンプシャー:ウィル・パワーのレース後の不適切な行為に対して、罰金3万ドルと今シーズン終了までの執行猶予のペナルティ

「自制心を失っていた」パワーは殊勝に自らの非を認めたが……

 インディーカーは今日8月25日、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイでの行為(グランド・スタンド上のレース・コントロールに向けて両手の中指を立てた)に対するペナルティを発表した。罰金は3万ドルで、彼は今シーズン終了までインディーカーの監視下に置かれることとなった。なお、罰金については、インディーカー代表として今シーズン終了までに公けの場に数回出席することで免除されるという。
 「チェッカード・フラッグが出されたころの状況は通常と大きく異なっていたが、それが不適切な行為をしたことへの言い訳とはならない。家族なども観戦をしている環境を考慮するならなお更のことである。我々のスポーツにおいては、常に感情が表に出されるものだが、今回の行動がウィルにとって通常のものではなかったことと我々は承知している」とバーンハートはペナルティ発行に際してコメントを出している。
 これに対してパワーは、「インディーカーの決定したペナルティを受け入れる。私はインディーカー・シリーズが、今回の私がしたような行為が二度と繰り返されないよう最善の努力を払わなければならないことを理解している。私はアクシデント発生に対しての自分の感情を強く表してしまった。そして、私はそれに対して謝罪し、今後もこのような行動を起こしてしまったことに関して後悔を続けて行く。これからは、前だけを見つめ、今週末のレーシングコースへと出て行き、チーム・ペンスキーのためにも全力で可能な限り良い成績を残せるよう力を振り絞る意向だ」と全面的に自らの非を認めた。

 バーンハートはレース後の会見で、パワーの行為に関して罰金などのペナルティを課すであろうことを話していた。そのジェスチャーはアメリカで放送禁止となっているものだったからだ。しかも、パワーはそれを両手で行った。そして悪いことに、彼の行為はサーキット内の巨大スクリーンに映し出されただけでなく、ABCテレビの生中継の放送で全米に映し出されてしまったのだ。もはや言い逃れは絶対に済まない状況となってしまった。同じ番組内でパワーはABCのリポーターに対して、「冷静さを失っていた」と謝罪したが、手遅れだった。
 バーンハートはレース後の会見で、「彼はとんでもなく自制を失っていた」とパワーの行動を評したが、バーンハートの手前勝手なルール解釈やルール変更の方こそ、とんでもなくコントロールを失ったものだった。
 パワーは、「頭に血が上ってしまっていた。私の悪いところだが、我慢ができなかったんだ。我々は彼らに何度も頼んでいた、リスタートをしないようにと」と彼は話した。

明らかにおかしな裁定を棚に上げてのペナルティに意味はあるのか?
 パワーの不適切な挙動に対し、インディーカーがどれだけのペナルティを課すのかには注目がされていた。危険なコンディションでスタートが切られ、それによって自分の順位が大きく下がった(バーンハートの変則判定によって下がらないことに結局はなるのだが)と考えたパワーは、怒りで自分を抑えれなくなってしまった。バーンハートは、「その事情は理解ができるので、ペナルティを決める際に考慮に入れる」と話していた。バーンハートは、そんなコメントをすることで面目を保ったつもりでいたのかもしれないが、彼は選手にペナルティを課す前に、自らの判断ミスに対して厳しい裁定を下すべきなのだ。
 結局、バーンハートが自らを律する行動に出ることはないだろう。そうできる人物であったら、とっくの昔に今の職を辞していただろうからだ。そして案の定、パワーには半端なペナルティが課せられた。自分の冒した過ちに対して後ろめたさがあるバーンハートには、まともなペナルティが出せるはずなど最初からなかったのだ。
 3万ドルを払う代わりにインディーカーのイベントなどに出席することについてだが、どれだけの数のイベントに、どれだけ顔を出せば良いか(回数や時間など)は、例によって明らかにされなかった。結局、パワーが3万ドルをインディーカーに払い込むことはないだろうし、パワーが今まで以上に多くのイベントにしょっちゅう借り出されるようなことも起こらないだろう。パワーは今までに無謀なドライビングをして問題になったこともないから、執行猶予の身とすることも何ら負担を感じはしないだろう。

2011年8月25日木曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その7 ヒアリング終了。レース結果はひっくり返らず

 ニューマン・ハース・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングがニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイでのレース結果に対して抗議を出していたが、3人のメンバーによるヒアリングが行われ、レース結果はレース当日に発表されたものから変更ナシと決まった。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その6 審議委員の選び方にも疑問

表彰式でプレゼンターを務めたギャッペンス。
Photo:Naoki Shigenobu
 今回の抗議に対し、バーンハートは担当者を選んで審議を行うことと決めた。「私がレースコントロールという職にあったことから、抗議のヒアリングは独立したパネルを作り、彼らが事態の解決に当たるのがベストと考えた」という。この考え方自体は真っ当だが、彼が選んだパネルには疑問符がつく。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その5 前々から問題視されていたレース運営

フランキッティはお咎めなしリストに名前が載っている?
Photo:Naoki Shigenobu
 インディーカー・シリーズの競技ルールに関する運営があるべき姿となっていないことは、前々から指摘されていた。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その4 リスタート前の順位を決勝結果とした理由は何なのか?

パワーの怒りが爆発、バーンハートに噛みついた
Photo:Naoki Shigenobu
 ニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイでの一件、最も大きな問題はレース結果の決め方にあった。レースはリスタートの後も続いていたが、ブライアン・バーンハートはリスタート前まで遡り、それを決勝順位とした。リスタート後もレースを続けたのはバーンハート自身だったし、残り6周で赤旗まで出してフィニッシュまでレースを続ける意向を見せたのもバーンハートだった。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その3 ニューマン・ハース・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングが主張するとおり、最後のリスタートで順位の変動は起こっていた

ありえないあの条件でのリスタート

 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、最後のリスタートでオリオール・セルビア(ニューマン・ハース・レーシング)に先行を許し、さらにはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)にもパスされた。トップからアッという間に3位まで転落した彼は、無線でピットに向けて「こんなの馬鹿げている。路面にパワーを伝えられない!」と叫んでいた。それは現地のテレビ中継でも放映された。

2011 INDYCAR レースプレビュー R13 インディ グランプリ オブ ソノマ: 史上初の中国人ドライバーが今週末に誕生

Photo:INYCAR
インディ500で決勝進出を逃したホー・ピン・タン、ついにデビュー

 今週末のインフィネオン・レースウェイ(カリフォルニア州ソノマ)でのレース=インディ・グラン・プリ・オブ・ソノマに、中国出身のホー・ピン・タン(28歳)が出場するが、彼のエントリーはドラゴン・レーシングからではなく、サム・シュミット・モータースポーツ/ドラゴン・レーシングとなるようだ(今シーズン、インディー500も含めると彼らの何回目のジョイントエントリーになるんだろうか……)。カー・ナンバーはドラゴンが使ってきている「8」ではなく、サム・シュミット・モータースポーツのアレックス・タグリアーニがつけている「77」に習った「88」にされる模様だ。メインスポンサーは、サム・シュミット・モータースポーツでサブスポンサーを今シーズンの途中から務めてきている電子部品商社のマウサー。

2011年8月24日水曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー プロテストの行方 その2 クラッシュが発生したリスタートの後、フルコースコーションで周回を続けたにもかかわらず、リスタートそのものが無効に

2位となったセルビアは、リスタート時のスピードが遅すぎた件に対するクレームか
表彰台でハンター-レイに対して怒りをあらわに。
Photo:Naoki Shigenobu
リスタートでクラッシュ発生、その後アンダーイエローで周回したが……

 ニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイでのシリーズ第12戦、終盤を迎えたレースで2位を走行していたオリオール・セルビア(ニューマン・ハース・レーシング)は、リスタートでトップのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)をパスした。しかし、そのリスタートでは、グリーンになったと同時ぐらいに、6位につけていたダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポート)がスピンし、それは数台を巻き込むアクシデントへと発展した。そして、レースにはすぐさまイエロー・フラッグへと戻った。

2011 INDYCAR レースプレビュー R13 インディ グランプリ オブ ゾノマ :ジョルジョ・パンターノがソノマとボルティモアのロードコース2戦に出場

2005年にロードコース2戦のみチップ・ガナッシからスポット参戦したパンターノ。
第14戦インフィネオンで決勝14位、第16戦のワトキンスグレンでは予選2位、決勝
では4位フィニッシュのリザルトを残している。
Photo:INDYCAR
6年ぶりとなるインディーカー参戦

 ドレイヤー&レインボールド・レーシングは今週末のカリフォルニア州ソノマでのレースで、負傷欠場中のジャスティン・ウィルソンの代役として、22号車にジョルジョ・パンターノを乗せることを決めた。彼は続く第14戦ボルティモア・グランプリにも出場する予定だ。ミド・オハイオではシモン・パジェノー、ニュー・ハンプシャーではトーマス・シェクターを起用したDRR、彼らのチームでロードレースに2戦出場し、非常に良いパフォーマンスを見せていたパジェノーがソノマ、ボルティモア、日本で起用されるものと考えられていたが、パンターノはスポンサーマネー持込みなのか、アメリカでの2レースに起用されることになった。インディ・ジャパンで22号車に誰が乗るかは現時点では不明だ。

2011 INDYCAR レースプレビュー R13 インディ グランプリ オブ ソノマ:8月18日 インフィネオンプライベートテストのタイムを入手 佐藤琢磨とKVレーシングはまずまず好発進

Photo:INDYCAR
プライベートテストながら20台が参加
 先週18日にインフィネオン・レースウェイで行なわれたプライベート・テスト(しかし20台もが参加)でのラップタイムを入手した。このデータはインディーカーの公式計時ではなく、マシンに搭載されているホンダ製ECUからのデータによるものである。
 午前、午後で路面コンディションも違っているので、別々に表示してある。
 午前のとっぷはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、2番手はEJ・ビソ(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)。1分20秒を切ったのはこの二人だけだった。
 午後にもパワーとビソは79秒台をマーク。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングの二人、ダリオ・フランキッティとスコット・ディクソンも79秒台へと突入し、ニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイでかったばかりのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)も1分20秒を切ってきた。そして驚きは、今週インディーカー・デビューする予定のジョルジョ・パンターノが79秒79という好タイムをマークしたところだ。
 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は午前中のベストが80秒30で5番手、午後はわずかに良くなって80秒21だった。ビソとは当然異なるセッティングをトライしていたと思われる。ビソがトップ5に入るタイムを出していたことから、KVレーシング・テクノロジーの得られたデータはまずまず良いものだったと考えることができるだろう。
 なお、インディー500出場を果たせずインディーカー・デビューをし損ねていたホー・ピン・タン(ドラゴン・レーシング)は、午前中が1分22秒11、午後が1分21秒04とエントリー20台の中では最も遅かったが、今週末のカリフォルニア州ソノマでのレースに出場の予定だ。
 *07号車については不明。

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2011年8月22日月曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:R12 ニュー・ハンプシャー 隠されていた正式抗議が新聞報道で発覚!ニュー・ハンプシャーでのレース結果に対して2チームが抗議提出

雨が降り続いているにもかかわらず不可解なレース終盤のグリーン、
リスタート時のクラッシュで赤旗と、混乱を極めたニュー・ハンプシャー戦。
バーン・ハートはレース終了後謝罪したものの、プロテストを隠蔽していた。
Photo:INDYCAR
不可解だった順位の決定にやはり正式に抗議が!

当サイトへの記事掲載までに時間がかかってしまったが、ニュー・ハンプシャーでの第12戦終了後、ニューマン・ハース・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングが結果を不服として正式に抗議を提出していたことがレースの翌週火曜日に明らかになった。
2チームの主張は、「リスタートが無効とされ、それ以前のオーダーで最終結果が決定されたのは正しくルールに則ったものではない。インディーカーはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)をウィナーと発表したが、ニューマン・ハース・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングのドライバーであるオリオール・セルビアとスコット・ディクソンは、ともにハンター-レイを最後のリスタートでパスしており、そのリスタートが不適正にバーンハートによって認められなくなった」という内容だ。

バーンハートは抗議があったことを隠蔽

情けないのは、インディアナポリス・スター紙が抗議があったと報じた後に、インディーカーがそれを事実と認め、審議を行うと発表したところ。さらに印象が悪いのは、インディーカーの競技及びレース運営担当社長であるブライアン・バーンハートが、ゴールの後に記者会見を開いていながら、すでに出されていたはずの抗議に関しては口をつぐんだ点。その晩のテレビなどの報道や、翌日の新聞記事で抗議が大きく取り上げられるのを避けたかったためのことなのだろうが、実に稚拙かつ姑息な対応だった。結果、こうして後になって抗議の存在が明らかにされ、世間に与える印象の悪さはさらに大きくなってしまった。
バーンハートはその場を取り繕うべく策を弄し、逆にダメージを大きくしてしまった。まるでリスクマネジメントの悪い見本のようだ。その上、これだけで終わらないのが困ったところ。迷走はさらに続いている。
レース当日のテレビや、翌日の新聞などで抗議に関する報道がなされることは狙いどおりに阻止したバーハートだったが、今後この件はより大きな問題として、より深く取り扱われることになりそうだ