2011年6月25日土曜日

2011 INDYCAR インサイドコラム 第8戦 アイオワ コーン インディ 250:日本人初ポールに感動して……

 
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
日本人初ポールまで、アメリカ取材開始以来22年

   俺、やっぱり感動&興奮をしてるんだろうか? 佐藤琢磨の初ポール獲得に。
今日送るべき原稿は全部終わったのに、午前2時半になっても寝付けてない。お目々パッチリだ。原稿書いてる間には睡魔が襲って来たこともあったのに……。
しかし、初ポールまで22年もかかるとは思わなかったなあ。日本人て、海外に出るとなぜだが力をフルに発揮できないんだよ。日本をベースにしてて、海外はスポット参戦……みたいな体制じゃ、活躍は絶対無理だからね。それはゴルフの石川遼選手とかを見てればわかるでしょ? アレが典型だから。
   遼クン、早くアメリカかヨーロッパ、どっちか選んで本格参戦した方がいいよ。世界一になるには、トップレベルのシリーズで日々戦わなきゃダメだって。日本をベースにした出稼ぎスタイルじゃ、絶対に世界における成功ってのは無理。現に、そうやってアメリカやヨーロッパで大成功=優勝を重ねた人っていないでしょ? 
俺がフリーになって、1990年にアメリカに来て以来、本当に興奮するシーンてなかなか無かったんだよね、正直言うと。初のトップ10入りとか、トップ5フィニッシュとか……確かにスゴイことなんだけど、結局は勝ち負けとは全然カンケイないところでの話じゃない? だから喜びも100パーセントにはならない。燃えないんだよ。

日本人には不可能かと思った日々もあった

ブラジリアンプレスが羨ましかったよ。90年なんて、メディアはブラジルからひとり、日本からひとりって状態だったけど、アチラさんはエマーソン・フィッティパルディの優勝記事送ってる。俺だって優勝記事が書きたいじゃん? でも、それはまだデイトナ24時間レースでのニッサン、インディライツでの野田秀樹、服部茂章、フォーミュラ・アトランティックのロジャー安川だけ。トップカテゴリーはニッサンのだけだった。アレはメチャうれしかったのを今でも覚えてる。
ニッサンのグループCマシンでの勝利は素晴らしかったけど、あれはスポット参戦だった。こっちにフル参戦しているドライバーなり、チームの初勝利はいまだに記録されてない。そこが問題。チャレンジする人が少な過ぎるんだよ。
海外で活躍するのが大変なことは当たり前。不思議なのは、世界のトップで戦いたいって考えず、日本でソコソコ活躍したいとかいう考え方。
今日、やっとのことで初ポールは記録された。今でも信じられない。

先駆者たちもなし得なかった快挙に感動

アメリカのトップカテゴリーで、「優勝するかも!」って最初に期待させてくれたのは、高木虎之介だったな。テキサスとイギリスのロッキンガム、勝ててもまるで不思議じゃない速さを見せてた。でも、ドライバーだけで勝てるレースって少ないんだよね。チーム力が伴わないと勝てやしない。それがインディカーの世界で、トラにはそれが備わってなかった。
次に勝ちそうだったのが松浦孝亮。マッツン(松浦)はトラより期待度高かったね、ある意味で。ティーンエイジャーの時代からヨーロッパで実績挙げてたってこともあったし。
やっぱり、アメリカのレースで勝つためには、英語が普通以上にできないとダメでしょう。こっちの言葉で対等か、それ以上にやり合える状況にないと精神的不利に置かれてしまう。そういう状態じゃ勝てない。文句があったら英語でビシッと言える。そうなってからじゃないと勝負は無理と思う。だからこそ、ゴルフの石川君もアメリカに住んでチャレンジすべきだと思うんだよね。
と、マッツンの話だった。彼はね、初挑戦のインディ500で勝ちそうな気配があった。ウソとかハッタリじゃなく。なにしろトップタイムをプラクティスで連日、何度も出してたぐらいでね。でも、それは寒いコンディションでのこと。不運にも決勝日の天候は暖かくなって、そしたら一気にパフォーマンスが低下。そういうとこも怖いんだよなぁ、インディは。ほんの小さなことで優勝候補が最後尾候補にガラッと変わっちゃうんだから。
コウスケにはミシガンでの予選2位ってのもあったなぁ。パノスでは速かったんだよね、フェルナンデス・レーシング。あのスタートシーンはジーンときた。
な~んて書いて来ながら、日本人がいちばん勝利に近づいたのは、ロジャー安川のルーキーイヤーのシカゴかなぁ……とも思う。トップ走ったからね、ロジャー。あそこまで終盤に優勝争いを行った日本人ドライバーっていない。しかも、相手はブライアン・ハータだったからね。押しは弱いし、勝てても全然不思議のない相手だった。ところが、あのレースで勝ったのはサムホ。サム・ホーニッシュJr.ね。ブライアンとロジャーが競り合ってるアウトから豪快すぎるパスを決めた。
インディカーでのポールも勝利も一生無理。そう考えた時期も正直言えばあったサ。でも、ついにポール獲得が今日、達成されました。1993年から2002年までのCARTインディカー・ワールド・シリーズは、ミルウォーキーでの1戦を除いて全部取材(今回の琢磨と同じで親父が逝去 )。2003年からのIRLインディカー・シリーズは、8年間全戦取材で、今年も皆勤賞を続けてる。これだけ見てきて初めてのポールだから、今回が。そりゃ感動もするでしょう。していいデスよね?
F1でもまだポールってないでしょ、日本人。勝ちもないワケだけど……。

目の前に迫ってきた日本人初勝利のとき

日本人の過去ベストリザルト――レースでの――は、武藤英紀の2位@アイオワだ。明日、それが更新され、日本人初のインディカーでの優勝が、日本人初のポールから24時間ちょっとで実現されちゃうことを期待したい。
もしそれが無理でも、トップ3でのフィニッシュとかは是非とも達成をして欲しい。そういう好成績が続けて出せれば、それは確実に初優勝への道に繋がっているはずだから。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース第8戦アイオワ コーン インディ250 Day1プラクティス1/予選リポート

第8戦アイオワ コーン インディ 250
IOWA CORN INDY 250

アイオワ・スポードウェイ
アイオワ州ニュートン
コースタイプ:ショートオーバル
全長:0.875マイル(=約1.408km)×250周

Day1  6月24日
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
 第8戦アイオワ・コーン・インディ250の公式日程は金曜日から。1時間15分間のプラクティスがまずは正午から行われ、4時15分から予選、その後、ナイトレースに備えるために夜の7時半からファイナルプラクティスというスケジュールだ。
 最初のプラクティスでは、決勝用セッティングをメインとしながら、予選用セッティングにも少し時間を割くというのが理想的なパターンだ。KVレーシングテクノロジー・ロータスで走る佐藤琢磨も、そのセオリー通りのプログラムでアイオワに臨んでいた。

2011 INDYCAR フォトリポート4 R8アイオワ:佐藤琢磨、ポールポジション・トロフィーを掲げてポーズ

ピークのトロフィーを掲げてポーズする佐藤琢磨。満面の笑顔とナンバーワンのサイン。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2011 INDYCAR フォトリポート3 R8アイオワ:ポール獲得を日本の取材陣と祝う

歴史的瞬間に居合わせた日本人取材陣とポールポジション獲得の記念撮影をする佐藤琢磨。
Photo:IND
YCAR(Chris Jones)

2011 INDYCAR フォトリポート2 R8アイオワ:琢磨にインタビューが殺到

初めてのポールポジションを獲得した佐藤琢磨に多くのメディアからインタビューが殺到した。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2011 INDYCAR フォトリポート1 R8アイオワ:カナーンが琢磨を祝福

日本人初となるポールポジションを獲得した佐藤琢磨をチームメイトのトニー・カナーンが祝福
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第8戦 アイオワ コーン インディ 250 Day1 佐藤琢磨、日本人初のポールポジション!

ついにポールポジションを獲得!
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
第8戦 アイオワで佐藤琢磨がついにポールポジションを獲得!
インディカー・シリーズに参戦開始以来通算25戦目での快挙

2デイで行われるアイオワのDay1、12時からのプラクティス1回目でで、ダリオ・フランキッティに次ぐ17秒7782のタイムで2番手と上場の滑り出しを見せた佐藤琢磨は、午後4時15分からの予選に21番目のアタッカーとして臨んだ。
1ラップ目に17秒8496、2ラップ目にさらにタイムアップを果たし17秒8361をマーク。トータル35秒6857(平均時速180.375mph=約290.223km/h)で初のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨の1ラップ目は、アタック全員の中でトップ。2ラップ目は予選2番手を獲得したダニカ・パトリックの17秒8224に次ぐ2番目のタイムだった。
このあと、午後7時30分からのプラクティス2回目を走り、明日、午後8時からナイトレースで行われる決勝に備える。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第8戦 アイオワ コーン インディ250:予選アタック順リスト

アイオワ・コーン・インディ250の予選アタック順

1 スコット・ディクソン
2 トニー・カナーン
3 グレアム・レイホール
4 アレックス・タグリアーニ
5 マイク・コンウェイ
6 ジェイムズ・ヒンチクリフ
7 ジャスティン・ウィルソン
8 ビットール・メイラ
9 ダリオ・フランキッティ
10 マルコ・アンドレッティ
11 ライアン・ハンター-レイ
12 セバスチャン・サーベドラ
12a チャーリー・キンボール
14 アレックス・ロイド
15 ライアン・ブリスコー
16 オリオール・セルビア
17 アナ・ベアトリス
18 JR・ヒルデブランド
19 #78
20 エド・カーペンター
21 佐藤琢磨
22 ダニカ・パトリック
23 エリオ・カストロネベス
24 EJ・ビソ
25 ウィル・パワー
26 ジェイムス・ジェイクス

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第8戦 アイオワ コーン インディ250:アイオワで登場の新カラーリングは?

フランキッティ車は「スアーベ」カラーへと変わりアイオワ入り
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
 ニュースでお伝えしたように、アンドレッティ・オートスポーツのライアン・ハンター-レイのマシンには今回からサークルKのスポンサー・ロゴがある。それもサイド・ポッドの前半分にドカーン! と。モノコックのノーズ側までスペースを使っている。サン・ドロップは後ろ半分になった。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第8戦 アイオワ コーン インディ250:シモーナ・デ・シルベストロが欠場

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
 ミルウォーキーの予選でクラッシュしたシモーナ・デ・シルベストロ(HVMレーシング)は、ミルウォーキーでの決勝には出場したが、1週間後のアイオワは欠場することとなった。

2011年6月24日金曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第8戦 アイオワ コーン インディ 250:ハンター-レイに新スポンサー登場

アイオワのパドックにおろされるハンター-レイのマシン。
サイドポンツーン前方から大きくサークルKロゴが見える。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)

今度は日本でもおなじみのサークルK

今回のレースからアンドレッティ・オートスポートのライアン・ハンター-レイのマシン=28号車は、新たに“サークルK”のロゴをまとう。シーズン途中からスポンサーとして同社がアンドレッティのチームをサポートして行くこととなったのだ。アンドレッティ・オートスポートの営業部門、ガンバってますね。
結構目まぐるしくマシンのカラーリングが変わっているハンター-レイだが、アイオワで搭乗するマシンは、DHL/サークルK/サン・ドロップと3つのスポンサーが彩ることとなる。DHLの次に来て、サン・ドロップが3番目に下げてられたということは、それなりにロゴの占めるスペースも大きくなるということだろうか?

2011 INDYCAR レースプレビュー 第8戦 アイオワ コーン インディ 250:アイオワでの琢磨に高まる期待

Photo:INDYCAR
記憶に新しい昨年の琢磨のパフォーマンス

昨年、佐藤琢磨は初挑戦となったショートオーバル=アイオワで目覚しい走りを見せた。予選7位から決勝では3位を走ったのだ。残念ながら結果はアクシデントによるリタイアとなったが、そのアクシデントの前、琢磨はトップ2との差を削り取って行くスピードを持っていた。彼にはトップを走ることさえ見えていたのだ。

2011 INDYCAR レースプレビュー 第8戦 アイオワ コーン インディ 250 レーススケジュール

第8戦アイオワ コーン インディ 250
2011 IZID INDYCAR SERIES R8 IOWA CORN INDY 250

アイオワ・スポードウェイ
アイオワ州ニュートン

コースタイプ:ショートオーバル
全長:0.875マイル(=約1.408km)×250周

前年ウイナー:トニー・カナーン

Day1 6月24日(金)
プラクティス1 12:00~13:15(日本時間25日2:00~3:15)
予選 16:15~17:00(日本時間25日4:15~5:00)
プラクティス2 19:30~20:15(日本時間25日9:00~10:15)

Day2 6月25日(土)
決勝 20:00~(日本時間26日10:00~)

2011 INDYCAR レースアナリシス 第7戦ミルウォーキー225 その2:フランキッティにペナルティが課せられなかった事情は??

なぜ、フランキッティにペナルティは出なかったのか?

ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)がピットでウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のタイヤに接触した。しかし、インディカーはフランキッティにペナルティを課さなかった。「なぜ?」と思われた方も多いと思う。
ペナルティとならなかったのは、別にフランキッティやチップ・ガナッシ・レーシングをエコヒイキしたからでも、インディカーが過去に何度も冒してきたのと同じ不規則裁定でもなかった。あの接触は、チーム・ペンスキーのクルーたちの参戦姿勢の方に問題があった。ペナルティがチーム・ペンスキーに課せられることさえ考えられる状況だった。 

2011 INDYCARレースアナリシス第7戦ミルウォーキー225:ミルウォーキーの罠……ピットレーンでの接触がなぜ起ったのかを検証

 予選5位からスタートした佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)は、序盤にスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)をパスして4位へと浮上し、そのポジションを保っていた。しかし、周回を重ねるうちに琢磨のマシンはグリップが低下して行った。タイヤに負担をかけ過ぎてしまったのだ。ポジションを落とさないために琢磨はスタートから全力疾走を続けていた。出場ドライバー全員がタイヤを労わるドライビングなど心がけている余裕は持ってはいなかった。序盤からバトルは熾烈だった。大きなリードを作っていたダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)もレース後に語っている。「全ラップを全力で走り、全身でコンディションの変化を感じ取り、マシンの挙動の変化も把握しなければならない。そうすることでしかコンディションの変化を読むことも、セッティングの調整をどうすべきかの決断も不可能だからだ」。

2011年6月23日木曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:エンジニアの移籍先チームから、コンウェイ優勝に貢献したエンジニアを獲得、サム・シュミット・モータースポーツにフルタイムのエンジニアが決定

レギュラーのエンジニアが加入することで、タグリアーニは復調するか?
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
 ミルウォーキーでのアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)は、かなりの苦戦をしていた。インディ500とテキサスで連続ポールウィナーとなった彼らが、26台出走の予選で19位という後方グリッドしか手に入れることができなかった。フラットなショートトラックは、CARTインディカー・ワールド・シリーズからチャンプカーに残り続けたタグにとっては走り慣れたコースのはずだったが……。

2011年6月22日水曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント47 R7 ミルウォーキー225 「もっともっと、父にはたくさんレースを見せたかった」

父を亡くした直後のミルウォーキー

 テキサスでの第6戦が終わった後、佐藤琢磨が日本へ帰国していたことは知らなかった。ミルウォーキー入りしたところで、関係者から彼のお父様が亡くなられたと聞いた。帰国をしていたことで、琢磨は父上の最期を看取ることができたという。
 金曜日はテストセッション。走行を終えた私は琢磨のピットへと向かった。コメントをもらうためだ。しかし、この時の自分は、彼の前にどのような態度で現われるべきなのか、どのように接するべきなのかを考えていなかった。お悔やみの言葉を最初にかけることもせず、スッと質問を投げかけてしまった。琢磨は一瞬詰まった後に答えをくれたが、いったんマイクの前から離れて行った。涙を浮かべていたようだった。取材する側がちゃんとした心構えになっていなかったことを、彼は虚しく感じたのだと思う。それでも琢磨はインタビューを受けるために戻って来てくれた。
 最愛の家族を亡くしたばかりの人間に、私は何の言葉もかけることができなかった。そっとしておいてあげたいという考えがあったのは事実だし、彼がどこまで話す気持ちがあるのかを量りかねていたということもあった。悲しさをえぐり出すような質問をすべきではないとも思っていた。しかし結局は、何も知らないかのように振舞っている方が楽だったということ。私はそこへ逃げ込もうとしていた。
 自分がどうした態度で取材を行うべきなのか。それからジックリ考えた。そして、レース後に自分の言葉で真正面から、お父様の思い出や、お父様に対する気持ちの、彼が我々と分かち合ってくれるものがあれば聞いてみようと思った。

2011年6月20日月曜日

2011 INDYCAR レポート R7 ミルウォーキー225 Race Day:伝説のオーバルでのバトルはフランキッティが制し、パワーとポイント・トップ・タイに。琢磨は見事な挽回を見せて8位フィニッシュ

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
Race Day 6月19日
天候:曇り のち 晴れ
気温:24℃
路面温度:34〜37℃

ベテラン勢が存在感を示した一戦

 やっぱりミルウォーキーでのレースはいい。フラットなショートトラックでのレースは、激しいバトルの宝庫になっていた。
 序盤こそダリオ・フランキッティがトップを独走していたが、その後ろではオーバーテイク合戦が休むことなく続いていた。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 46 R7 ザ・ミルウォーキー225 Race Day 決勝「序盤のペースは悪くなかった。でもピットレーンで目の前を横切るディクソンに接触してしまった。追い上げて8位となり、多くのことを経験して凄く勉強になった」

レース後にエンジニアのギャレットと話す琢磨。マシンのレース・セッティングは完璧ではなかったが、予選5位から決勝8位という結果を残した。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)
第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaukee 225

ミルウォーキー・マイル
ウィスコンシン州ウエストアリス
コース全長:1マイル(=約1.609km)

Race Day 6月19日
決勝 8位フィニッシュ 225周 1時間56分49秒6888(6秒1011遅れ)

 初めてのレースとなるミルウォーキーは、ドライバーの腕がものを言う。しかし、その前にマシンをセッティングする能力が求められる。佐藤琢磨はプライベートテストを一度行ったが、十分に走り込みを行うコンディションに恵まれなかった。その結果、金曜の走行ではマシンを思うように仕上げることができなかった。テストでの天候が悪かったことがレース・ウイークエンドの金曜に遅れを取る事態を招き、それはレースにまで影響した。

2011年6月19日日曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 45 R7 ザ・ミルウォーキー225 Day2 予選「自信を持ってドライブでき、思い切ってアタックできた。スタート位置は良いし、混乱に巻き込まれないように最後まで走りたい」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaukee 225

ミルウォーキー・マイル
ウィスコンシン州ウエストアリス
コース全長:1マイル(=約1.609km)

Day2 6月18日
予選 5位 43秒1640(21秒5753、21秒5887) 169.308mph

 ミルウォーキーの予選、佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)は5位という結果を手にした。初めてチャレンジするミルウォーキーで、十分なテストを行うことができなかったという状況を考えると素晴らしいパフォーマンスである。もちろん、経験豊富なチームメイト、トニー・カナーンの存在は大きくプラスに働いただろうが、高度のドライビングスキルと、マシンセッティング能力が求められるコースで、2日間で見事にマシンをトップレベルへと磨き上げた上に、大胆かつミスのない走りを2周に渡って実現した。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 44 R7 ザ・ミルウォーキー225 Day2 プラクティス3「僕自身が勉強できたところもあり、非常にコンペティティブなマシンに仕上がった。今回は完全に予選用のシミュレーションで思い切り攻めた走りができた」

第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaukee 225

ミルウォーキー・マイル
ウィスコンシン州ウエストアリス
コース全長:1マイル(=約1.609km)

Day2 6月18日
プラクティス3 2位 21秒6103 12周走行

天候:快晴
気温:24℃
路面温度:43〜44℃

 プラクティス2回目は12時55分から1時間行われた。2グループに分かれてのセッションで、佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)が走ったのは12周だけだったが、それでも11周目に自己ベストとなる21秒6103=平均時速169.086マイルを記録! トップに躍り出た。セッション終盤にダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)が0.0474秒速い21秒5629=平均時速169.485マイルを出したために琢磨は2番手に下がったが、昨日のテストでは16番手から急展開し、プラクティス2回を使って琢磨は難コースでも完全にトップグループで戦える存在になっている。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 43 R7 ザ・ミルウォーキー225 Day2 プラクティス2「テストから走行100周を越え、ようやく何かがわかって来た。タイヤ性能の落ち込みが激しいので課題はある」

第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaukee 225

ミルウォーキー・マイル
ウィスコンシン州ウエストアリス
コース全長:1マイル(=約1.609km)

Day2 6月18日
プラクティス2 11位 21秒9280 51周走行
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
 金曜日のテストでは16番手だった佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)だが、一夜明けてのプラクティスでは11番手まで順位を上げた。ラップタイムを一気に0.3665秒も縮めることができたのだ。KVRTは3カー体制を活かし、マシンセッティングは良い方向へと進めることができている様子だ。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R7 ザ・ミルウォーキー225:今大会のタイヤ使用本数とオーバーテイク・アシスト仕様公開

1マイル・オーバル用2011年仕様タイヤ
今週はファイアストンタイヤを各チームとも9セット使用してよい。金曜日のテスト走行までを含めてのことだ。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R7 ザ・ミルウォーキー225 このラウンドでカラーリングが変更された選手のマシン

今週末のレースをテレビでご覧になる方、目新しいカラーリングが多いですよ。
ライアン・ブリスコー車のトランジションズ・アダプティブ・レンズカラー
Photo:INDYCAR(Chris Jones)