2011年3月26日土曜日

INDYCARシリーズ ロード/ストリートコース予選方式 開幕戦の予選を前に3セグメントのレギュレーションを再チェック

 タイヤレギュレーションの紹介でも述べたとおり、今年もストリートコースを含むロードコースの予選は3段階だが、それぞれのセグメント(ステージ)で使用できるタイヤは1種類に定められた。ここが今シーズンの予選の一番のポイントとなるのだが、開幕戦の予選を前に、各セグメントのレギュレーションをもう一度おさらいしてみよう。

2011年INDYCARシリーズ 第1戦セント・ピーターズバーグ プレビュー Part2 「開幕戦は25台が出場。ドライバーの国籍は13ヵ国。ルーキー5人、女性ドライバー3人」

今年もエントリー活況!あと2台で予選落ち発生

 ホンダ・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグへのエントリーは25台だった。マシンはすべてダラーラシャシーとHondaインディV8の組み合わせで、全員がファイアストンタイヤを使用する。
 開幕前のオープン・テストに集まったのは24台だったが、ニューマン・ハース・レーシングで走っていたジェイムズ・ヒンチクリフは開幕戦への出場を果たせなかった。
 しかし、オープンテストには姿を見せなかったが準備を着々と進めていたAFSレーシングが、セント・ピーターズバーグで初お目見え。昨年までインディライツで活動していたチームがインディカーへとステップアップしてきたのだ。ドライバーにはインディライツでともにタイトルを獲得した卒業生のラファエル・マトスが起用されている。そして、トニー・カナーンのKVレーシング・テクノロジー・ロータスからの参戦が開幕直前に決定、合計25台となった。
 今年からのルールで、33グリッドが用意されるインディ500を除き、インディカー・レースに出場できるマシンの数は「26」が上限に設定された。開幕戦で25台が集まり、残るはあと1席だけとなった。それ以上の台数がエントリーした場合には、予選落ちが生まれるということだ。


2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント4 第1戦セント・ピーターズバーグ Day1 プラクティス2 「カナーンの加入はポジティブ。彼を交えての今日のエンジニアリングミーティングが楽しみです」

第1戦 ホンダ・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグ
Round 1 ST.PETERSBURG
Honda Grand Prix of St.Petersburg

セント・ピーターズバーグ公道コース
フロリダ州セント・ピーターズバーグ
全長:1.80マイル(=約2.89km)×100周
コースタイプ:ストリート

Day1  3月25日
プラクティス2 1分4秒2429  16位  16周走行

 プラクティス2回目は気温も路面温度も上がり、コンディションは大きく変わっていた。路面にはタイヤラバーがさらに乗っていた。琢磨陣営はマシンセッティングをさらに向上させるべく走行を重ねたが、期待しただけの成果を得られず、リヤサスペンションのスプリングやキャンバーなども変更した。このセッションでも投入したタイヤは1セットのみ。走行時間終了時までに琢磨は16周を走り、その16周目に今日の自己ベストとなる1分4秒2429をマークした。

Jack AMANO(以下——)2セッション目、最終ラップが自己ベストでした。セッションの半ばでピットで待機している時間がありましたが、その間にEJ・ビソがクラッシュ。長いフルコースコーションとなり、走行時間が減ってしまいましたね。

佐藤琢磨:ピットで待機していた時間は、僕らのタイムに対してあまり影響はなかったですね。それよりもセッティングの方向性が少しズレている。やりたかったことが全部できなかったセッションで、それがラップタイムに出ちゃってるかな? と思います。今、クルマがうまく走ってくれてなくて、頑張ってる感じがある。それをやるとタイムロスが結構あって、コンシスタントに走れなかったりするんで、そこを今夜改めなくちゃならない。

――リヤサスペンションに大きな変更を施していたようですが、アレが効いてのタイム短縮でしたか? マシンが良くなったということなんでしょうか?

佐藤琢磨:路面のコンディションが最後は良くなってましたよね。でも、タイヤの方のグリップレベルはもう落ちていたので、そういった状況でのタイム更新だから、まぁ、クルマとしては良い方向になったと思います。けど、ちょっと今のタイム差と順位だと、セッティングに大ナタを振るって、大きく変えてかなきゃダメかな?

Photo:INDYCAR(LAT)

――良い方向に向かった感触なのに……ですか?

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント3 第1戦セント・ピーターズバーグ Day1 「チームとして最初のプラクティスを順調に進められたし、すごくいいセッションだったと思います」

第1戦 ホンダ・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグ
Round 1 ST.PETERSBURG

Honda Grand Prix of St.Petersburg


セント・ピーターズバーグ公道コース
フロリダ州セント・ピーターズバーグ
全長:1.80マイル(=約2.89km)×100周
コースタイプ:ストリート



Day1 3月25日
プラクティス1  1分4秒7668  11位  22周走行


 シーズン最初のプラクティス。天候はフロリダらしい快晴。佐藤琢磨は路面の埃が取り払われるのを待ち、ゆっくりとコースインした。バンピーでグリップの低いストリートコースでKVレーシング・テクノロジーのマシンはどのようなハンドリングを示すのか? ライバル勢のパフォーマンスは? 1時間のプラクティスが行われた。

Photo: INDYCAR(Dana Garrett)

Jack AMANO(以下——)タイヤ1セットで1セッションを走りきりましたね。タイムは11位でした。スムーズに来ている感じですか?


佐藤琢磨:そうですね。とても順調です。出足は大事だと考えていて、3人全員がほぼトップ10圏内につけました。チームとして最初のプラクティスでのプログラムを順調に進められたし、すごくいいセッションだったと思います。

――タイヤの消費数を抑えることが重要なんですか?

佐藤琢磨:いや、ルールが変わってね、このセッションを終了した後でタイヤを返さないといけないんですよ。路面のゴミがなくなってセッション後半でタイムがよくなるので、その状態でいいタイヤを使いたい。

――最初のセッションは去年よりうまく行った感じですか?

佐藤琢磨:去年もここセント・ピーターズバーグでは最初のプラクティスからマシンは良かったと思います。次のプラクティスでも基本的に今と同じ方向性でマシンを良くして行こうと思います。

琢磨は22周を走り、12周目に1分4秒7668のベストをマーク。11番手だった。チームメイトふたりは、EJ・ビソが1分4秒5397で8番手、開幕前に急遽加入したトニー・カナーンが1分4秒8591で12番手だった。周回数はビソが17周でその最終ラップに壁にヒットし、右リヤ・ホイールなどにダメージを被った。カナーンは12周だった。

2011年3月25日金曜日

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2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント2:バーバー オープンテストDAY2 3月16日

●バーバー オープンテストDAY2[3月16日]

バーバー・モータースポーツ・パーク
アラバマ州バーミンガム
全長:2.30マイル(=約3.70km)
コースタイプ:ロード

●Day2
3月16日
プラクティス4 1分13秒5929 10位 20周走行
プラクティス5 1分12秒4742  6位 49周走行

 テスト初日は中団グループのタイムに甘んじた佐藤琢磨だったが、走行2日目にはトップ6に食い込むラップを刻み、またしてもバーバー・モータースポーツ・パークでその存在感を強くアピールした。
 去年、琢磨はこのコースで予選のファイナルステージに進出し、レースではトップ5を走ったのだ。結果はマシントラブルに見舞われたために残せなかったが、一度テストで走ったコース、そして常設のロードコースでは十分にコンペティティブであることを証明してみせた。

 今年、バーバーのレースは第2戦として4月初旬に開催される。そこでの活躍がとても楽しみになるテストとなった。
Photo: Masahiko Amano
Jack AMANO(以下——)2日間走っての満足度は?

2011 INDYCAR シリーズ 大会プレビュー1-2 第1戦セント・ピーターズバーグ『期待される琢磨の走り』

2011 インディカー シリーズ 第1戦Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ プレビュー2
昨年の琢磨の結果と今シーズンの開幕戦でのターゲット

期待される琢磨の走り
 去年の佐藤琢磨は予選11位で、100周で争われた決勝は24周でアクシデントによりリタイアを喫した。
2010年セント・ピーターズバーグ
Photo: INDYCAR(Shawn Gritzmacher)

2011 INDYCAR シリーズ 大会プレビュー1-1 第1戦セント・ピーターズバーグ『ペンスキー勢が目下2連覇中』

インディカー シリーズ 第1戦Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ プレビュー1

過去の結果と強豪チームチェック

ペンスキー勢が目下2連覇中
 開幕戦はHondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ。今年で7回目の開催だ。過去のレースのトップ3は以下の通り。
2010年の表彰台
Photo: INDYCAR(Chris Jones)

2011 INDYCARシリーズ ルール解説

2011年シーズン新レギュレーション 予選編

予選各セッションでのタイヤ選択に注目!
 今年もインディカーのタイヤはファイアストンの独占供給。コンパウンド(タイヤのゴムの硬さ)が硬くてライフ(寿命)の長いプライマリータイヤ=ブラックと、ソフトコンパウンドでパフォーマンスを重視する代わりにライフの短いオプショナル=レッド(サイドウォール=タイヤの側面が赤い)がストリートや空港含むロードコースでは供給される。
 予選までに2セット供給されるレッドをいかに使うか? ここが今年のテーマだ。
「レッド」はタイヤの側面が赤くなっている
Photo: INDYCAR(Shawn Gritzmacher)

2011年3月24日木曜日

2011 INDYCARシリーズ 佐藤琢磨コメント1:バーバー オープンテストDAY1 3月14日

バーバー オープンテストDAY1[3月14日]

バーバー・モータースポーツ・パーク
アラバマ州バーミンガム
全長:2.30マイル(=約3.70km)
コースタイプ:ロード

●Day1
3月14日
プラクティス1 1分13秒8853 16位 22周走行
プラクティス2 1分13秒1913 12位 38周走行
Photo: Masahiko Amano
 INDYCARは開幕前に合同テストを1回だけスケジュールした。今年もそれはバーバー・モータースポーツ・パークでの開催。佐藤琢磨はKVレーシング・テクノロジー・ロータスの一員としてテストに参加した。
 24台が集結し、最速タイムはチーム・ペンスキーのウィル・パワーがマーク。琢磨は60周を走って1回目と2回目のトータルで13番手という結果だった。チームメイトのEJ・ビソはトータル7番手。KVレーシング・テクノロジー・ロータスは、まずまずの滑り出しを見せたのだ。トライしたセッティングのすべてが良い方向へ……とは行かなかったものの、大きなゲインを果たして走行初日を終えたと言っていいだろう。

Jack AMANO(以下——)合同テストの前にプライベートテストに来たそうですね。両方のテストでやりたいと考えていたこと、実際にやれたことは何ですか? また、その間にトラブルは何かありましたか?

2011 INDYCARシリーズ 第1戦ホンダ・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグ DATA

●第1戦 ホンダ・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグ

Round 1 ST.PETERSBURG
Honda Grand Prix of St.Petersburg

●スケジュール/現地時間=日本時間-13時間
3月25日10:15〜11:15 プラクティス1
日本時間 3月25日 23:15〜24:15

15:00〜16:00 プラクティス2
日本時間 3月26日 4:00〜5:00

3月26日10:10〜11:10 プラクティス3
日本時間 3月26日 23:10〜24:10

14:30〜15:50 予選
日本時間 3月27日 3:30〜4:30

3月27日8:40〜9:10 ウォームアップ
日本時間 3月27日 21:40〜22:10

12:30〜 決勝(100周)
日本時間 3月28日 1:30〜

●サーキットデータ
セント・ピーターズバーグ公道コース
フロリダ州セント・ピーターズバーグ

全長:1.80マイル(=約2.89km)×100周

コースタイプ:ストリート

2010年勝者:ウィル・パワー

この「ジャック・アマノのINDYCARレポート」について

 いよいよ、3月27日に決勝が行われる「ホンダ・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグ」で2011年インディカー・シリーズが幕を開けます。

 昨年から実施した各レースでのセッションごとの佐藤琢磨のコメントを今シーズンはこちら「ジャック・アマノのINDYCARレポート」で掲載をしていきます。
 昨シーズンは最終的に1冊の本となってまとめることができました(詳細は下記リンクでご覧下さい)。今シーズンについても、本や(現在のブログ形式ではなく)独自サイトなどでの展開を目指して、情報を更新していきながら、可能性を探りながら展開をしていく予定です。

2011年3月23日水曜日

ジャック・アマノのINDYCARレポート:コンテンツ紹介

 佐藤琢磨 のコメントから“理論的”にINDYCAR(インディカー)シリーズでの1年間の戦いを再現する記事やINDYCARシリーズのインサイド情報を更新。

●コンテンツ
・2011 INDYCAR佐藤琢磨コメント
・INDYCARインサイド情報&ニュース
・2011 レースプレビュー(DATA・解説など)
・INDYCARシリーズ解説(ルール、システムなど)
・INDYCAR最新情報&TV
・ご挨拶
・Jack Amano プロフィール

2011年も佐藤琢磨の1年間のコメントを完全網羅

 佐藤琢磨 本人のコメントから“理論的”にIRLインディカーシリーズの1年間を再現。
2010年にIRLインディカーシリーズにデビュー、アグレッシブな走りを見せた佐藤琢磨のシーズンを完全レポートした、全セッションのコメントレポートを2011シーズンも実施。琢磨がアメリカン・オープンホイールの頂点を戦うにあたって、何を考えながら車両のセッティングを行い、チームがどんな戦略を採ったかをライブ感あふれる言葉でレポートしていきます。