第17戦 IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガス
IZOD INDYCAR World Championships at Las Vegas
ラスベガス・モータースピードウェイ
ネバダ州ラスベガス
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周
Day2 予選 16位
オーバルレーシングというのは本当に不思議な、そして技術的に奥深いものである。2011年シーズン最終戦ラスベガスの予選は、そう強く感じさせるものとなった。佐藤琢磨の予選順位は、16位という中団グリッドからのスタートを余儀なくされることとなったのだが、チームメイトのトニー・カナーンがポールポジションを獲得し、チャンピオン争いを行っているチームはというと、琢磨と同様にスピードの獲得に苦労をしていたのだ。ポイント2位のウィル・パワーは琢磨のひとつ後ろの予選17位で、ポイントリーダーのダリオ・フランキッティは、さらにもうひとつ後方、琢磨の真後ろの18番グリッドから明後日の決勝レースをスタートすることになったのだ。
Jack AMANO(以下——)プラクティス2回目のプログラムと、成果を聞かせてください。
佐藤琢磨:とにかく予選のシミュレーション、オンリーっていうプラクティスでした。昨日のプラクティス1回目に集団の中を走って、クルマの動きとしては十分によかったので。前回のケンタッキーから、1.5マイルでの自分たちは、ちょっと純粋なスピードが伸び悩んでいる。昨日から純粋なスピードって部分で非常に遅れを取っていることを感じていたので、今日の僕らは集団の中では1回も走らずに、自分だけでどれだけスピードが伸びるかっていう作業を淡々とこなしていました。その結果、自分たちなりに前進はしたと思うんですけど、こうやって実際に予選を闘って見るとね、まだスピードは伸び悩んでるなって感じはしてます。
——予選アタックをどう自己評価しますか?
佐藤琢磨:とにかくクリーンなラップを心がけたんですけど、やっぱりスピードが伸びて行かなかったですね。
——このシーズン中に、他のチームが何か秘密を見つけてスピードを伸ばしたと考えられるんですね?
佐藤琢磨:そうですね。直接の原因がわってないですけど。前回のケンタッキーは、1.5マイルオーバルの空力パッケージを使うのがシーズン序盤というか中盤戦のテキサス以来でした。僕らはテキサスの時から基本的におかしくなったところは一カ所もない。そういう部分は自分たちの中では考えられない。そうすると、周りのレベルがあの時点から上がっているのかな、と思いますけど、ちょっとわからないですね。自分たちの何かがおかしいってコトではないと思います。
——レースに向けてのクルマの仕上がりはどうでしょう?
佐藤琢磨:僕らなりにベストを尽くしているんですけど、ここのオーバルは非常にバンクが急で、コーナー半径が大きい。クルマに対する負荷は優しいんです。そういう意味では、とにかくダウンフォースよりも、いかにしてドラッグ=抵抗を少なくするかというところが勝負のポイントになるんですけど、僕らは苦労をしています。ただ、クルマはトラフィックの中ではソコソコ良い動きをしているので、明後日のレースでは非常に接近した戦いが続くと思うので、最後まで精一杯走りたいです。
——トラフィックの中でのマシンには結構な満足度があるということは、今の状態だと集団では問題なく走れるものの、集団をリードして行くというレースはしにくいってところでしょうか?
佐藤琢磨:着いて行くことは十分できると思うんですけど、そこから抜いてって、一番先頭を風を切って走るっていう状態は、現状だと厳しいのかもしれない。まぁ、もちろん走ってみなければわからないんですけど、このプラクティス2回と予選を走った限りでは、相当厳しい戦いになるかな、という予感はしています。
——集団の中で走るのに関しては、インでもアウトでも、どこでも問題なく……というマシンになっているんですね?
佐藤琢磨:はい。もうクルマはほとんどオーバー・グリップというか、アンダー・パワーというか……。空気抵抗、あるいは機械抵抗の差でタイムの違いができている状態なんです。足周りのグリップ云々という部分でのタイム差っていうのは今回は非常に少なそうなので、クルマの動きとしてはそんなに不満は無いんですけど、単純に速くない……っていうところで非常に苦労してますね。
——さらに変更するセッティングのアイディアなどはありますか?
佐藤琢磨:いや、あまりないと思いますが、スタートするポジションなども考慮して、クルマをどうして行くかを決めたいと思います。
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