ウィル・パワー Photo:INDYCAR(Chris Jones) |
2011 IZOD INDYCAR SERIES R16 Kentucky Indy 300
ケンタッキー スピードウェイ
ケンタッキー州スパータ
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周
天候:曇り
気温:12〜13℃
ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がケンタッキーのポールポジション獲得を達成した。オーバルでの実績はまだ少ない彼だが、ポイントリーダーに復活した直後の大事なレースでアドバンテージを握って見せた。
パワーはオーバルでも速い。それは去年のインディー500ぐらいから感じらるようになっていたが、今日のケンタッキーでのポール獲得は、彼がまた一段ドライバーとしてのレベルを上げたことを示していたと思う。「シリーズチャンピオンになる!」という彼の意気込みの強さが感じられる一撃だった。
翌日のレースでパワーが優勝できたら、彼は初タイトルへと大きく近づくことになる。予選では際立って速かったドライバーが、決勝ではトラフィックでまったく安定感を欠いて……といったケースはオーバルレースではよく聞かれる話だ。
ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)は、ケンタッキーのオーバルに来てもシーズン終盤の苦境から抜け出せていなかった。今回の予選順位は11位! チャンピオン争いを行う相手、パワーに大きく水を開けられている。「前の3列に入れれば問題ない」と走行直後に話していたフランキッティだったが、ルーキーのチームメイト、チャーリー・キンボールが彼を上回って10位に食い込み、チャンピオン候補だというのにトップ10から弾き出されてしまった。
今回は10号車のエンジニアたちがミスを冒した。プラクティス1でエンジンの水温管理に失敗し、エンジンを傷めてしまったのだ。非常に寒かったコンディションで空力を良くしようと、サイドポッドのエア・アウトレットをカバーし過ぎた。プラクティス2でパワー・ダウンが発覚し、予選直前にエンジンを乗せ換え……。そんな状況では予選でベストのパフォーマンスを期待するのは難しい。それでもさすがはチャンピオン・チーム、エンジニアのミスをクルーたちが補った。彼らがマシンを正確に組み上げたのは、フランキッティが「マシンは良いものになっていた。ただスピードが足りなかった」と話していたところに明らかだ。グリッドは11位までのダウンで収まったのは不幸中の幸いと言える。エリオ・カストロネベスは16位、ライアン・ブリスコーは18位だったのだ。
パワーは初タイトル獲得に向け、明日のレースではチームメイトの援護を期待できそうもない。フランキッティの望みは、予選2位となった若いチームメイト、グレアム・レイホールがパワーを抜いてトップで周回を重ね、そのうちに自分も上位へと進出するというものだが……果たしてどうなるか。スコット・ディクソングリッドは7番手と決まった。
レイホールはチップ・ガナッシ・レーシング入りしてからの初勝利を目指している。予選3位、5位に食い込んだふたりのルーキー、ジェイムス・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース・レーシング)とJR・ヒルデブランド(パンサー・レーシング)も今回のレースは初勝利のチャンスと捉えているだろう。ケンタッキーで速く、2年連続でキャリア初優勝を逃す2位となっているエド・カーペンター(サラ・フィッシャー・レーシング)は、今年も強力だ。今年のアイオワで優勝しているマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)、ニュー・ハンプシャーの勝者であるハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)も6位と8位につけている。グリッド上位には勝利に対して貪欲になっているドライバーたちが並んでいる。パワーはイニシアチブを保ってレースを戦うことができるだろう? フランキッティは彼らをかき分けてトップグループへと伸し上がって行けるのか?
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