2011年8月29日月曜日

2011 INDYCAR レポート R13 インディ グランプリ オブ ソノマ Race Day ウォームアップ:ウィル・パワーがレッド装着で予選タイムに近い1分19秒台連発

Photo;INDYCAR
ディクソンがレッドタイヤ装着で2番手のタイムをマーク

 朝9時開始が予定されていたインディーカーのファイナルプラクティスだが、サーキットがこのサン・フランシスコ界隈の名物ともいえる朝霧に包まれたことから、救急用ヘリコプターの発着が行えない状況で、1時間15分遅れの10時15分にようやく走行は始められた。
 決勝前に行われる最後の30分間のセッション、最速タイムをマークしたのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。ポールポジションを獲得している彼は、レッドタイヤ装着で予選タイムに近い1分19秒台を連発していた。マシンは決勝用セッティングも非常に仕上がりが良いということなのだろう。ベストは1分19秒6623だった。
 2番手タイムはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が、やはりレッドタイヤ装着で記録したのだが、1分19秒9714とパワーとの間にはコンマ3秒という明確な差があった。もちろん、どちらのチームがどの程度の量の燃料を搭載していたかは不明で、ラップタイムの比較だけでマシンの仕上がり具合を判断することはできないのだが……。
 3番手タイムはライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)の1分19秒9776で、その次の4番手にはルーキーで、予選17位(キャリアベスト)だったジェイムス・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)の1分20秒0707だった。彼のチームメイトのセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)は1分20秒0826と僅かに遅く、このセッションの5番手となった。
 6番手はアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)、7番手はジョルジョ・パンターノ(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、8番手はダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)とイタリア系の苗字を持つドライバーが並んだ。

アンドレッティ勢は不振

 今週末はルーキーたちの奮闘ぶりが目立っている。
 昨日のプラクティス2回目で最速タイムをマークし(レッドタイヤ装着でだったが……)、予選15位につけたマーティン・プロウマン(AFS/サム・シュミット・モータースポーツ)はファイナルプラクティスでも9番手につけ、予選10位に初めて食い込んだアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)は、決勝前最後のプラクティスで10位につけるタイムをマークした。セバスチャン・サーベドラ(コンクエスト・レーシング)もファイナルプラクティスで11番手にランクされるラップを記録し、シモン・パジェノー(HVMレーシング)が12番手だった。
 予選2位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は13番手と振るわななかった。それより事態が深刻と映っていたのはアンドレッティ・オートスポーツとチップ・ガナッシ・レーシングのサテライトチーム。アンドレッティはライアン・ハンター-レイの18位がベストで、予選で7位と健闘していたマイク・コンウェイは21番手、マルコ・アンドレッティが26番手、ダニカ・パトリックが27番手とほぼ全滅に近かった。ガナッシの若手もグレアム・レイホールが22番手、チャーリー・キンボールが25位と大きく低迷した。

KVレーシング3人はいずれもレッドタイヤを決勝に温存か

 KVレーシングテクノロジー・ロータスの3人のドライバーたちもファイナルプラクティスでの成績は良くなかった。EJ・ビソが20番手、佐藤琢磨が23番手、そして、トニー・カナーンが24番手だったのだ。ただし、彼ら3人は、より速いラップタイムの期待できるレッドタイヤでの走行を行わなかった。決勝に向けて琢磨は新品のレッドをスカッフィングしていたが、「ロングランをやる」と昨日は話していたというのに、それを一切行わずにブラックでの走行に終始した。それも3人全員が、だった。
 このことで考えられるのは、レッドタイヤをレースに向けて温存することだ。ビソは予選で第2ステージORセグメントに進んだので、2セットがすでに使用された状態だが、琢磨とカナーンは新品を2セット持っており、もう1セットも少ない周回数しか行っていない。3ストップのレースとなった場合、ブラックとレッドを2セットずつ使うチームが大半となる中、レッドを3セット投入してアドバンテージを得ようという作戦かもしれない。なお、インディーカーのルールでは、両方のタイヤをグリーンフラッグ下でミニマム2周は使わないとならないことにされている。レッドだけで全行程を走り切ることは許されないという意味である。

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