フランキッティはお咎めなしリストに名前が載っている? Photo:Naoki Shigenobu |
トロントとエドモントンでアクシデントが多発した後にライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)は、「どこまでがオッケーで、どこからがアウトなのかがわからない。F1のようにルールはもっと厳格であるべきと思う。例えば、もし白線が引かれていてそれを横切るべきではないというルールが存在するなら、それを横切った者には確実にペナルティが課せられるべき。しかし、インディーカーでは誰かがその白線を横切っても、どんな裁定が下されるのがハッキリしていない」とコメントしたことがあった。オフィシャルのルール施行に安定感がない。ルールが毎回違うような印象がある。これは大きな問題だ。トロントの1周目にトニー・カナーン(KVレーシングテクノロジー・ロータス)を弾き飛ばし、何のペナルティも受けなかったドライバーのコメントという点はある意味ビミョーだが、「何人かのドライバーたちは、自分たちにはルールを冒してもお咎めナシになることを知っている」という彼のコメントには注目したい。レース主催者であるインディーカー、即ちルールを一元管理する競技及びレース運営担当社長のブライアン・バーンハートは、そうしたドライバーのリストを持っているとの印象を彼は持っているのだ。そのリストに載っていると見られているのは…………? ダリオ・フランキッティは入ってるんだろうなぁ……と彼以外のドライバーたちの多くは考えているだろう。
こうした意見に対してバーンハートは、「我々のレース運営はずっと安定している。ひとりひとり意見は違う」と反論していた。しかし、トロントではライアン・ブリスコーが最初にアクシデントを起こした時点でペナルティを出さなかったため、後に同じようなアクシデンを引き起こした者たちを罰することができない状態に彼らは陥ってしまっていた。
ペナルティの基準が安定しない原因のひとつとして、「不注意、あるいは無謀なドラビングでアクシデントを起こした場合、そのドライバーがレースを続けることができた場合にはペナルティを課すが、周回遅れに陥った場合などは、すでにキツいペナルティを受けたのと同じなのだから、さらにペナルティを課すことはしない」というインディーカーの奇妙なポリシーがある。不注意や無謀なドラビングをしてアクシデントを起こした者には、周回遅れになったか否かなどに関係なくペナルティを課すべきだと思う。被害を受けた者は確実に存在するわけだし、ピットスルーぐらいのペナルティはレース展開によって一切ペナルティの意味を持たなくなるケースも出てくるのだから。
ルールが正しく適用されないと不満を募らせるエントラントがいるのはすぐさま改善すべき問題だが、そもそものルール自体に問題が少なくない点(=上位オフィシャルがその権限において裁定を下すことができる……なんていう文章が多過ぎるなど)をまず先に直すことから始めるべきだ。また、トップに立っている人間が本当にその職に見合う能力を備えているかどうかも再考される必要がある。
続く
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