Photo:Naoki Shigenobu |
2011 IZOD INDYCAR SERIES R11 Honda Indy 200 at Mid Ohio
ミド‐オハイオ・スポーツカー・コース
オハイオ州レキシントン
コースタイプ:ロードコース
全長:2.258マイル(=約3.633km)×85周
Race day 8月7日
ウォームアップセッション 26位 1分11秒2501 20周走行
決勝日の朝に行われるファイナルプラクティス(=ウォームアップ)セッションは、30分間と短い。しかし、レース用セッティング、レースモードでの2種類のタイヤのフィーリングやパフォーマンスを確認する重要なものだ。
ミド-オハイオでのウォームアップでは、一番多く走ったドライバーが24周を重ね、多くのドライバーたちが20周を走ったが、トップタイムは17周しか走らなかったポールシッターのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。プライマリー(=ハードコンパウンド)のブラックタイヤと、サイドウォールの赤いオルタネート(ソフトコンパウンド)=レッドタイヤの両方を装着して走行する必要があるというのに、ライバル勢より明確に少ない周回数で、しかしベストラップを刻んだ。今週の彼らのマシンはそれだけ決まっているのだ。
佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)は、ディクソンとはまったく逆の状況で、27台中の26番手と、「ショッキング!」とでも表現すべきポジションだった。20周を走って、その最後のラップで1分11秒2501のベストをマークした辺りはいかにも彼らしかったが、トップのディクソンは1分09秒5161を出しており、1.7340秒もの大きな差をつけられてしまった。どちらもベストはレッドタイヤで記録された。
琢磨の装着していたレッドは、昨日の予選の第一ステージで使ったもの。つまり、そのタイヤでの27周目だった。もうグリップはかなり落ちていたはずだが、琢磨は何とかマシンをコントロールしてセッション中の自己ベストを記録したということだ。
この30分間の走行で琢磨たちが得たものは、今朝試したセッティングは間違った方向に進んでいたものだということ。KVレーシングテクノロジー・ロータスとしては、EJ・ビソが1分10秒1011のベストをレッドタイヤでマークして9番手につけていたので、彼の使用していたセッティングがレースでのベースとされるだろう。ビソのベストはディクソンから0.0805秒差だったが、トニー・カナーンは17番手と、昨日の予選からの苦しい状況が続いていたかのようだった。
レース用セッティングをどうするかは先週のテストと今週末の全セッション、すべてで得られたデータを総合して決められる。ここがチームのエンジニアたちと、ドライバーたちのエンジニアリング能力の見せ所だ。ウォームアップより気温の上がるだろう決勝のコンディション、周回を重ねるに連れて増すグリップ……などの要素も考え併せてセッティングを決定しなくてはならない。果たして、琢磨とKVレーシングのチームメイトたちは、どんなマシンで、どのような決勝レースを戦うことになるのだろうか?
Jack AMANO(以下——)26番手タイムでしたが、どういうセッションだったのですか?
佐藤琢磨:うーん、まぁちょっと……今回は色々試しました。
——20周を走ったうち、レッドでの走行が12ラップと長めでしたが、両タイヤに対する評価はどうでしょう?
佐藤琢磨:今回はあまりにも最初の走り出しのセットアップの方向性が違い過ぎたので、途中で大幅に変えました。
——ブラックで走って、レッドに替えるタイミングでのピットインでのことですね?
佐藤琢磨:はい。
——このセッション、チームメイトのEJ・ビソはトップ10入りする9番手タイムでした。今の状況からだと、彼のトライしたものが決勝での鍵を握る感じですか?
佐藤琢磨:そうですね。
——大変な週末になってますが、決勝ではマシンが良くなるといいですね。
佐藤琢磨:はい。頑張ります。
0 件のコメント:
コメントを投稿