Photo:Naoki Shigenobu |
レースは雨の中で再開され、多重クラッシュが起きた。
そのリスタートは、マシンの並び順が間違ってすらいた。トップのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)はアウト側からのスタートを選び、2位だったオリオール・セルビア(ニューマン・ハース・レーシング)はおのずとイン側から加速することになった。ところが、2列目以降はトップがアウト側なのだというのに、奇数順位がその後ろにではなく内側に並んでいた。
それでもスタートが切られたのはなぜか? レースコントロールが、「225ラップのレースをゴールまでファンに楽しんでもらいたい」という考えに凝り固まっていたから?
ファン思いの考え方は素晴らしいし、サービス精神旺盛なのもいい。ある程度までなら賛同できる。しかし、だからといってドライバーたちを危険に晒していいということにはならない。大きなアクシデントが起これば、スタンドに陣取るファンに危険が降りかかる可能性だってある。
それでもグリーンは出され、アクシデントは発生し、すぐさまイエローが出された。この場合、順位はイエローが出た時点でのものが採用されるべきだ。216周目のリスタートでいえば、セルビアがハンター-レイの前に出ていた。しかし、チェッカードフラッグが提示された後、彼らふたりの順位はひっくり返され、インディーカーはハンター-レイをウイナーとした。セルビアはまるで1位から2位へ降格されたようなカタチとなった。
今年から採用されているダブルファイル・リスタート(=2列でのリスタート)では、同じロウからスタートするマシンであれば自分より順位がひとつ上のマシンでもパスをして良い。だとすると、セルビアに落ち度はない。
ミスを冒したのはレースコントロールだ。彼らは残り10周を切ってからリスタートを無理矢理切って、何台ものマシンがアクシデントを起こした。
レースコントロール=競技長としては、そうしたチームやドライバーに対してお詫びをしたくなったのだろう、リスタートの1周前の順位を最終順位として採用することにした。
レース前半にダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)が築いた大量リードや、そのフランキッティとリスタートで接触した佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)のことなど、完全にかき消してしまうぐらいに理不尽な裁定だった。優勝はハンター-レイのものとなり、2位はセルビアで、3位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。琢磨は7位にランクされた。
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