ポールからスタートした琢磨はそのまま序盤レースをリードした。 Photo:INDYCAR(Daniel Incandela) |
第10戦エドモントン インディ
2011 IZOD INDYCAR SERIES R10 Edmonton Indy
Edmonton City Centre Airport
エドモントン・シティーセンター・エアポート
カナダ アルバータ州エドモントン
コースタイプ:ストリート
全長:2.256マイル(=約3.631km)×90周
Race Day 7月24日
決勝 21位 完走(1周遅れ)
佐藤琢磨、走りで堂々と存在感をアピール
2回目のポールスタートを切った佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、長いストレートであってもトップの座をシッカリと守り切り、レースを悠々とリードして行った。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)というシリーズのトップ3が彼のすぐ後ろを走っていた。しかし、80周のレースがまだ30周も終わらないうちに、彼は無謀なドライビングを試みたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)にヒットされてスピン。エンジンストールで周回遅れとなり、それを挽回できないまま21位でレースを終える憂き目に遭った。それでも、2回目のポールポジション獲得、レース序盤の堂々たる戦いぶりで、琢磨はIZODインディカー・シリーズにおける存在感をまた一段高めることには成功した。
チップ・ガナッシ2台と、ペンスキーのウィル・パワーを向こうに回して 佐藤琢磨は奮戦を続ける。 Photo:INDYCAR |
Jack Amano(以下――):スタートから気持ちよくスタートを走ってましたね。レッド・タイヤの新品でのスタートでしたが、周回を重ねてタイヤがグリップを失ったといった状況でしたか?
佐藤琢磨:そうでした。最初のスタートから10周ぐらいは良くて、2番手に来ていたスコット・ディクソンやウィル・パワーが自分に近づいて来た時にはプッシュして、ちょっと離れてからはすぐにフューエルセーブにして走ってました。今日はピットインのタイミングを1周でも後ろにずらしたかったので、そういうことをやってたんです。だけど、着かず離れずの状況がずーット続いてて、だんだんタイヤの内圧が上がり過ぎたりとかの理由でフロントのグリップがどんどん無くなって来ちゃって、結構タイトコーナーでラインをキープするのが難しくて、15周目以降ぐらいかな? 苦しくなっていましたね。
――1位から4位に落ちました。
佐藤琢磨:ひとつ順位を落としたら、もう雪崩れのように一気に4位まで行きましたね。もちろん、ルールでブロックができないし、一度勢いを失ってしまうと、ウィルとチップ・ガナッシ・レーシングの2台はもうほとんどくっついている状態だったので、押さえ込むことができなかった。でも、何とか彼らにくっついて4番手で走行してましたね。
――それで最初のピットストップが来ました。あそこで少し順位を落とししたが、リスタートがすごかった!
佐藤琢磨:最初のリスタートはかなり怖いものでしたね。結局イエローでスタートにならなかったヤツです。あれはリードをしていたマイク・コンウェイが加速しなかったので、後ろはもうアコーディオンみたいになっっちゃって結構怖かった。その次の周に切られた2回目のリスタートも似たような状況はあったんだけど、うまくスリ抜けることができてね、1コーナーまでにポジションを上げることができましたね。
――4~5台抜きましたね?
佐藤琢磨:はい。7番手から2番手に上がれましたからね。そういう意味では、ファーストスティントでのタイヤの落ち込み具合を何とかリカバーして、2番手で走行って感じでした。
全部自分の責任、と謝罪したハンター‐レイ
――その後でした。ライアン・ハンター-レイが迫って来て、ターン5で後方からぶつけられてしまったのは。かなり楽観的というか、並んでもいないうちから「どいてくれ」って感じでしたね?
佐藤琢磨:そうですね。ちょっと強引だったけども、まさかあぁいうカタチで来るとは思ってなかったから、ちょっと残念ですね。
――レース終了してすぐ、彼が来てましたけど、何を言っていたんでしょう?
佐藤琢磨:基本的に、アクシデントは全部自分の責任だって彼は言ってました。抜けない状態で突っ込んで行ったことは申し訳なかった、ということでした。あのアクシデントによって彼も表彰台を失ったし、僕もそれを失ったし、非常に残念な瞬間でしたね。確かに彼のペースはすごく速かったんだけれども、ちょっとまだ距離があったんで……。
――そうでしたね。しかし、あそこで琢磨選手があえて外を回ってあげるって必要もなかったですしね。
佐藤琢磨:はい。もうちょっと前からブレーキング勝負になってれば、自分の方としても接触を避けるってことは可能だったと思うんですけど。残念です。
――最終スティントはユーズドのレッドで走っていましたが、そこにあった意図は何ですか?
佐藤琢磨:いや、もう新品のレッドがなかったから。
――ブラックという選択もあったと思ったのですが?
佐藤琢磨:あぁ、そうか、そうか。あの時点ではクルマが少しダメージを受けてて、ハンドリングが厳しくなっているところもあって、今日はレッドタイヤの方がペース的にも良いだろうというのが見えていたのでレッドで行きました。
やるだけのことはやったエドモントン
――レースを振り返って、短時間で仕上げたクルマの仕上がりというものは、どうでしたか? 表彰台を狙えた、といえるものになっていたと感じてますか?
佐藤琢磨:ストレートにレースをできたとして3位とか4位……。表彰台に手を届かせることができていたかもしれない。自力で優勝っていうのは、あのペースを見る限り、もしかしたら少し厳しかったかもしれないけど。自分たちとしては、良いところも見えたし、今後の課題も出て来たし、やれるだけやったレースでした。
――次回は去年活躍したミド‐オハイオですから、期待しています。
琢磨:はい、ありがとうございます。
ツキがなさすぎるけど、そんなのがずっと続くわけがない。
返信削除実力があるから、結果も必ずついてくるとわかっているこのもどかしさ。
落胆はしていない、琢磨選手の実力は証明されているから。
Rack さん、ありがとうございます。
返信削除今回のレース内容については、苦しいなりにうまくまとめていたようでしたので、巻き込まれさえしなければ、そこそこのところにいたのではないかと、本日(7/29)更新の記事
「2011 INDYCAR レースアナリシス R10 エドモントン インディ その1」にあります。あとちょっと、噛み合えば、その日は来るのかな、と思います。(更新係)