第9戦ホンダ インディ トロント
2011 IZOD INDYCAR SERIES R9 Honda Indy Toronto
ストリート・オブ・トロント
カナダ オンタリオ州トロント
コースタイプ:ストリート
全長:1.75マイル(=約2.816km)×85周
Race Day 7月9日
決勝 20位完走 1時間56分51秒6416(6周遅れ)
悔やまれるレース序盤でのアクシデント
作戦をうまく機能させ、ミスなく走り切って上位入賞を目指す。それが佐藤琢磨とKVレーシング・テクノロジー・ロータスの狙いだったはずだ。しかし、レースの序盤早々にリスタートでダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポート)の先行を許した直後、琢磨はパトリックとの接触を起こしてしまった。まだ7周目のことだった。ひとつ前のグリッドからスタートしたチームメイトのEJ・ビソ(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、レース半ばに3位を走り、琢磨の真隣りの20番グリッドからスタートしたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は、ゴールまで走り切って4位という好結果を手にした。アンドレッティの4位は幸運も重なってのリザルトと見ることもできたが、琢磨は序盤のアクシデントのために、マシンを修理してレースを戦い抜いても20位にしかなれなかった。
Jack Amano(以下――):序盤にアクシデントはどのようにして起きてしまったんですか?
佐藤琢磨:あのアクシデントは色々なことがコンビネーションになって起こったと思います。ターン3の進入は、ブレーキングをするところで外に行くようなラインになるんです。去年の僕はアウトからアプローチをしてマリオ・モラエスと接触してしまました。だから基本的にオーバーテイクはイン側からって考えがあって、ルールでブロックはなしということになっているので、当然ダニカは外に行くだろうって見てたんです。ところが、彼女は外側へ行く前にものすごいブレーキングをしたんです。もっと前で何かがあったのか、白煙も結構見えていましたね。あれだけ接近していたので、自分としてはその前までは見えてなかったというのが正直なところですね。あの場面では、さらに避けてタイヤに乗り上げるのはイヤだったので、仕方なくまっすぐ行くしかありませんでした。
――マシンを修理してレースに復帰したのは、シーズンの残りのレースを睨んでのことですか?
佐藤琢磨:そうですね。二種類あるタイヤの特性を確認したかったっていうのはありました。アクシデントはすごく残念だったんですが、去年もここでは最初のピットストップまでのスティントさえ終えられなかったので、多くの周回をレースでこなせば、いろんな練習になると考えました。ここのレースはものすごく荒れるので、何とか周回遅れになっても完走すればという感じだったんですが、大きく順位を上げることはできませんでしたね。今週の僕らは乗り切れないところがあったので、1周でも多く走ってデータを集めたかったんです。そして、その狙いどおりに完走を果たすことはできました。
――それにしても荒れたレースになりましたね。
佐藤琢磨:非常に荒れてしまったレースだっただけに、自分たちのレース、そして得られた結果は非常に残念なものになりました。
――ウォームアップからさらにセッティングを変更してレースに臨んだんですよね? その変更によって良い感触は得られたんでしょうか?
佐藤琢磨:いや、アクシデントでジオメトリーが狂ってしまったので、それによる悪影響が結構ありました。クルマをレース中に大変更はできないですし、トウリンクを前後とも換えたために、クルマが斜めに走っているような感じになっていました。正確にハンドリングがどうだったかを評価するのは難しいですね。でも、決して良くはなかったと思います。それでも、二種類のタイヤが周回を重ねる中でどのように変化をするのかは確認することができました。
――今日のレースでアクシデントが多発した理由はどこにあると思いますか?
佐藤琢磨:どうなんでしょうねぇ? 僕らがすごい条件で走らされている、という面はあると思いますよ。異常に乗りづらいです。2列のリスタートにはほとんどなっていませんよね? 最初に1、2列目でさえきれいに並んでスタートを切るのは難しい状況でした。僕も1回3列目ぐらいでスタートしたことがありましたが、全然2列には並べなかった。1、2、3位でも列をうまく作っては行きにくかった。そういう意味では、トロントでのレースっていうのは去年までの1列スタートに近いものになっていたんですけどね。でも、1コーナーと3コーナーでアクシデントが多く発生してしまっていた。やっぱり、ここの路面だと、コールドタイヤでは本当にマシンが曲がらないんですよね。だから、みんなアクシデントは起こしたくないと考えているんですけどね。とても危ないコースだと思います。一度イエローが出ると、それが続けて起こっちゃう。それは去年も一昨年も同じだったと思います。結局、タイヤが冷えてしまうとダメなんでしょうね。スムーズな路面でタイヤが冷えるというのとは全然違うので。本当にビックリするぐらいグリップしない。そうした状態でもポジション争いをしなくちゃいけないから、アクシデントに繋がり易いんだと思います。
――ターン3をもっとスムーズにしないといけないんでしょうね?
佐藤琢磨:うーん、それよりもアスファルトからコンクリートへと路面が繋がるところ、コンクリートのところが問題ですね。全面がアスファルトだったらいいのに。バンピーさが問題じゃないんですよ。ブラジルなんかもっとバンピーですから。コンクリートパッチが厳しい。それはみんな同じ条件だとはいえ、アクシデントは起こり易いと思います。
――次のエドモントンはレイアウトが去年とは違うものになります。路面はバンピーと思いますが、どういう戦いになりそうですか?
佐藤琢磨:KVレーシング・テクノロジーとしては、去年からバンピーな路面に弱いってところはあります。ただ、路面が安定している中でのバンピーさというのであれば、そんなに不得意ではないと思います。そういう意味では、ここトロントとエドモントンでは大分違うと思います。コースレイアウトはストレートとヘアピンしかないようなものになってるみたいですね。現地についてから様子を見て、できる限りの走りをするつもりです。
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