Photo:INDYCAR(Chris Jones) |
エドモントンは空港なので、路面はスムーズと思われがちだ。しかし実際は、空港の舗装というのは離着陸が行われる部分は意外にバンピーなもので、路面の継ぎ目などはとても大きい。それが新レイアウトの場合、“空港としてはスムーズ”(主催者コメント)な路面になっているのだという。乗用車でだがコースを実際に走ったカナダ出身のアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)は、「インディカー・シリーズにはこういうオーバーテイク可能なコースがもっと必要だ。エドモントンは今シーズンのベストコースとなる」と賞賛している。
ファイアストンは新しいタイヤコンパウンドをエドモントンのレースに投入する。去年使われたタイヤと構造はまったく同じままなのだが、プライマリー(ブラック)とオルタネート(レッド)、どちらのタイヤでもトレッドコンパウンドが改善されている。今回と同じプライマリー・タイヤスペックは、来月のインフィネオン・レースウェイで使用されることとなっており、オルタネート・タイヤも同じスペックが今年のインディ・ジャパンに投入される。レインタイヤは、トロントで導入された新スペックがエドモントンにも用意されている。
各エントラントが使えるのは、プライマリー=6セットと、オルタネート=3セット。ウェットタイヤが必要となった場合は、各エントラントに5セット供給できる数が用意されている。
今週末は天気も大きなファクターだ。走行開始の金曜は終日雨の予報で、予選日の土曜も午前中は雨が降る見込みだ。ところが、決勝日は晴れとなりそうなのだ。金曜と土曜のウェットでの走行時間が増えれば、それだけレースに向けたドライセッティングを行うチャンスが減る。状況によっては、予選が初めてのドライセッションとなることさえ考えられる。レース用セッティングを見出すための時間が少ないままスタートが迎えられる可能性は少なくない。
そして、もうひとつの大きな話題。前戦のトロントで始まったチャンピオン争い展開中のダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)とウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の確執だ。彼らは接触し、フランキッティが優勝、パワーはリタイアという対照的な結果となった。そして、パワーがテレビでのインタビューで「フランキッティのドライビングは汚い」と非難したこともあって大きな注目を集めている。
レース後にフランキッティは、「彼の怒りはわかる。時間が少し経って落ち着いたら考え方も変わるだろう。僕らふたりが話し合うチャンスを作り、彼の怒りが収まればいいが、もしそうならなかった場合には、もう自分には何の対処のしようもない」と語っていたが、つい最近、「彼には俺の後ろにつくという選択肢もあった。しかし、代わりにぶつける方を選んだ。それが単純明快な現実だ。結果、俺がDNFでアッチは優勝さ」というコメントをパワーは発した。彼の怒りは鎮まっていない。きっとビデオを何度も見返し、自らの考え方=アレは故意の接触だった=が間違っていないと確信したのだろう。
ドライバーたちにはフェアにドライビングするマナーが強く求められるが、アンフェアなドライビングに対して課せられるペナルティのあり方についても、公正さ、判断までのスピード短縮、ペナルティの大きさなど、様々な面で議論が必要な状況だ。エドモントンではこれらに対し、インディカーからある程度の指針が示されるだろう。
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