2011年7月22日金曜日

2011 INDYCAR レースプレビュー 第10戦エドモントン インディ・2010年プレイバック:ペンスキー同士の争いのスキを突いてディクソンが優勝。琢磨にとっては2010年のベストリザルトをマークしたコース

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
 ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)とウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が起こしたトロントでのアクシデント、あれはインディカー・シリーズのブロッキング禁止というルールが発端になっている。ひとつのコーナーへとアプローチする際、誰かがオーバーテイクを仕掛けて来た場合にはイン側レーンを明け渡さないといけないというルールだ。

 去年のエドモントンでは、このルールを守らなかったとエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)に黒旗が出された。彼はペナルティを無視してゴールまで走り切り、20秒加算のペナルティを受けて10位となった。優勝はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のものとなった。
 カストロネベスがブロッキングをしてしまったのは、チームメイトのパワーからのアタックを退けるためだった。

 ポール獲得はパワー。しかし、その彼をカストロネベスはレース中にパスした。チャンピオン争いをするパワーとすれば、最後に与えられたチャンス=リスタートでチームメイトにアタックするのは当然のことだった。しかし、そこで彼はブロックを受けたためにディクソンにパスを許してしまい、2位でゴールすることになった。ペンスキー・ドライバー同士での優勝争いが一転、ガナッシ・ドライバーの優勝レースに変わってしまった。95周のレースで、92周目に行われたリスタートでのことだった。パワーがポイントを争うフランキッティは3位フィニッシュでダメージを最小限に抑えることに成功した。
 4位はライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)、5位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)で、6位にはスポット参戦のポール・トレイシー(KVレーシングテクノロジー)が入り、いまだに高い母国カナダでの人気に応えた。

 佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)は、予選13位から9位でフィニッシュした。これは彼のルーキーシーズンでのベストリザルトとなった。ベストスターティンググリッドが3位だったように、もっと上位でのフィニッシュがあっても全然不思議ではない実力の持ち主であることをところどころで見せていた琢磨だったが、レース・ウイークエンドを通じて安定したパフォーマンスを発揮し続けることがなかなかできなかった。
 今年は同じ空港利用でもコースレイアウトが変わるエドモントン、果たしてどんなコースで、どんな戦いが繰り広げられるのか? 楽しみだ。

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