2006年のインディ500決勝。マルボロカラーのサム・ホーニッシュJr.のマシンがマルコ・アンドレッティを最終ラップでパス。 Photo:INDYCAR(Steve Snoddy) |
アンドレッティ・ファミリーのインディでの不運ぶりは有名だ。F1タイトルも獲得しているマリオは、国際的な活躍が目立つドライバーだが、実はインディに29回も出場している。そして、1969年の1回しか優勝することができていない。それでも、トップを走った周回数は歴代3位となる556周も記録している。4勝しているAJ・フォイトより1周多いが、1勝しかしていない。
二代目のマイケルは、キャリアのベストの時期がCARTシリーズとの分裂時やF1参戦に重なったこともあり、ついに一度もインディ500では勝てていない。それでも面白いことに、マイケルのリードラップは431周で、4勝しているリック・メアーズより2周多いのだ。マリオから不運を受け継いだかのようだ。
マイケルはリードラップ・ランキングで歴代10位につけてもいる。彼の上にいる9人は当然全員が優勝しており、彼の後ろの11位から17位までも優勝経験者だ。
三代目のマルコはデビュー・イヤーにして勝ってしまう! そう見えていた06年のレース終盤だった。凄い若手が出てきたものだ……などと考えていた。しかし、彼は最終ラップをそのすぐ前までのラップと同じように走れなかった。ターン3へのアプローチを慎重に行い、それはノース・シュート(コース北側の短い直線部分)とターン4の通過スピードを下げた。それがホーニッシュJr.の大逆転勝利へと繋がった。
チームオーナーでもあるマイケルは、「マルコはターン3でアクセルを緩めてなどいない。あのラップのサムがなぜだか驚異的に速かったんだ」と話したが、マルコのスピードダウンが大きくなければホーニッシュJr.が追いつき、追い越すことができたはずがない。最終ラップのバックストレッチ上で彼らの間には大きな差があったのだ。
この年のレースは最終的にアメリカ人ドライバー同士の戦いだったが、ルーキーのマルコはプレッシャーに押しつぶされたのだった。アンドレッティ家の末裔として、他のドライバーたちより大きなプレッシャーを感じていたことも影響していただろう。
アンサー・ファミリーがアル(4勝)、ボビー(3勝)、アルJr.(2勝)と3人で合計9勝もしているのに、アンドレッティ家はマリオによる1勝(1969年)のみしかインディでは記録されていない。しかし、アンドレッティはもはやインディでも不運ではないはずだ。マイケルはチームオーナーとしてすでに2勝(2005年、2007年)しているのだ。
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