2011年6月20日月曜日

2011 INDYCAR レポート R7 ミルウォーキー225 Race Day:伝説のオーバルでのバトルはフランキッティが制し、パワーとポイント・トップ・タイに。琢磨は見事な挽回を見せて8位フィニッシュ

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
Race Day 6月19日
天候:曇り のち 晴れ
気温:24℃
路面温度:34〜37℃

ベテラン勢が存在感を示した一戦

 やっぱりミルウォーキーでのレースはいい。フラットなショートトラックでのレースは、激しいバトルの宝庫になっていた。
 序盤こそダリオ・フランキッティがトップを独走していたが、その後ろではオーバーテイク合戦が休むことなく続いていた。
 セッティングがシビアで、ドライビングも難しい。1マイル・オーバルはインディカーというマシンに最もマッチしたコースだとさえ思う。
 レースで主役を張っていたのは、CART時代からミルウォーキーを走って来ているベテラン勢だった。トップを走ったのはダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)、そしてエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。オリオール・セルビア(ニューマン・ハース・レーシング)もおおいに奮闘していた。
 カナーンはもうゴールまで20周という時点でクラッシュ。カストロネベスはタイヤパンクの不運に見舞われたが、それが無かった場合でも、燃料はゴールまで持たなかった可能性がある。彼が大逆転でトップに躍り出たピットストップ゚は、驚異的に速かった。終盤にもう1回イエローが出ると読み、少な目の燃料補給にしてまでポジション・ゲインを狙って行ったと思われる。
 そして、最後にはフランキッティだけがベテランの中からトップ争いに残り、優勝を手に入れた。2位にはグレアム・レイホールという若手が来た。チップ・ガナッシ・レーシングのサテライト・チームで走る二世代目ドライバーは、ここ最近の4戦で3回目のトップ3フィニッシュ=ポディウムを達成。3位はセルビア。パワーはレースではほとんど目立つことがなかったが、粘りを見せて4位でゴールしたのだった。
 粘り強さといえば、ダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポート)の5位も素晴らしい結果だったし、ルーキーのジェイムズ・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース・レーシング)による6位もおおいに賞賛されるべき成績だ。

ガナッシ、ペンスキー勢と戦い、粘り抜いて琢磨は8位

 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)のパフォーマンスも良かった。セッティングが悪くタイヤの磨耗が激しく、彼のレースは苦戦の様相だった。そこへピットでのアクシデントと、それによるペナルティが加わり、上位でのフィニッシュは序盤にして絶望的となっていた。しかし、1周のラップダウンからトップと同一周回へと挽回。マイク・コンウェイ(アンドレッティ・オートスポート)、ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、ジャスティン・ウィルソン(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)といったライバルたちをパスし、ディクソンと戦い、カストロネベスと戦って、彼らの間の8位でゴールしたのだ。
 フランキッティは今季3勝目を挙げ、ポイントはパワーと並ぶ271点となった。チャンピオン争いは、これまでのところパワーとフランキッティの一騎打ちとなっている。その彼らがまったくのイーブンに戻ったのだ。シーズンはそろそろ折り返し点を迎えようとしている。

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