オーバル初優勝を遂げたマルコ・アンドレッティ。 カストロネベスはまたもトラブルにみまわれてしまい ペンスキー勢はインディ以来500以来、らしくない戦いが続く。 Photo:INDYCAR(Chris Jones) |
マルコ、ついに栄誉ある“クラブ”入り
マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が、ついにオーバルで勝った。これでロードコース1勝、オーバル1勝となった。
今の現役ドライバーたちで、両タイプのコースで優勝しているドライバーは7人しかいなかった。ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と、今年のインディ500に出ているので現役扱いとした場合のダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポート)まで。その栄えある“クラブ”にマルコは加わることになった。
アンドレッティ・オートスポーツは立ち直ったか?
インディカー・シリーズは、どんなコースでも速い人がチャンピオンになるっていうのがセールスポイント。ところが、そういう実績を持つドライバーって、なかなか増えていかない。両方で勝つのは本当に大変だってこと。まぁ、今年はパワーとアンドレッティ、ふたりがそこに新たに加わったし、豊作だって考え方もできる。マイク・コンウェイ(アンドレッティ・オートスポート)はストリートでキャリア初勝利を挙げたしね。
今回、アンドレッティ・オートスポートはレースで良かった……と言えるかも。いや、それは結果だけだな。本当の本当に良かったのはマルコだけ。ライアン・ハンター-レイ(8位)とダニカ・パトリク(10位)は、浮き沈みの激しいレースを戦ってた。コンウェイはアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)の巻き添えを食ってクラッシュ。オーバルでの彼はツキもない。
アンドレッティ・オートスポート、テクニカルディレクターとしてのアレン・マクドナルドを招聘したことが良い方向に出始めてるんだろうか? そんなにすぐに効果って出るものなのか? もう少し様子を見た方がいいだろう。
ここに来て目立つペンスキー勢の不振
チーム・ペンスキーはどうしてしまったんだ? 3人のベスト・リザルトがブリスコーの6位とは。エリオ・カストロネベスはミルウォーキーに続いてタイヤパンクでトップグループから脱落した。ブリスコーが目立ったのは、クルーたちの素早いピットストップによってのみだった。コースでは全然目立っていなかった。チャンピオン争いした一昨年の良さが完全に影を潜める。
パワーはピットロードでクラッシュし、コースでさらに激しいクラッシュをやらかした。ピットインして来たチャーリー・キンボールに加速しながら突っ込んだアクシデントは、後方ピットでの戦いに慣れていない(先週の佐藤琢磨の逆 )ことが原因か。もうピットを出てく人って決めつけていて、自分の前へ切り込んでくるなんて一切予測してなかった感じだった。パワーはテキサスでオーバル初勝利を飾ったんだけれど、まだまだオーバルでの本当の強さは身につけてないって印象だ。
今回は予選でもチーム・ペンスキーのベストはパワーの5位だった。ストリートコース、常設ロードコースでのパワーの走りが目覚しいものだったから、彼らは今年も強いと考えてしまっていたが、実際のパフォーマンスは全体的に去年より落ちている。その隙をついてアンドレッティ・オートスポートやKVレーシング・テクノロジー・ロータスが好成績を挙げる回数を増やしている。
ヒルデブランド、ヒンチクリフ――頭角を現す新人たちに注目
パンサー・レーシングのルーキー、JR・ヒルデブランド、今回も頑張ってたなぁ。まず、予選4位が素晴らしかった。チーム・ペンスキーの3人、ターゲット・ガナッシの2人の強豪5人より前のグリッドゲットだから。今回のJRはインディ500と違ってゴールまで走り切りもした。それも、残り8周でフランキッティを抜いたところが偉い。チャンピオンシップをおもしろくすることにも少しだが貢献した。ディクソンが少しだけだがポイントを多く獲得して差を詰め、パワーも引き離され具合が少しだがキャップは小さくなった。
同じくルーキーのジェイムズ・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース・レーシング)も9位と大健闘。この人、実にしぶとい。先輩チームメイトのオリオール・セルビアもそういうところがあって、とても良いコンビになってる。ヒルデブランドともども一見線が細く、キャラの弱いドライバーに映るルーキー2人なんだけど、どちらもなかなかに良い素材なんだと思う。今後に期待&注目だ。
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