プラクティス3 40秒4485 222.505mph(=約358.011km/h) 27位 34周走行
プラクティス3日目は朝から青空が広がっていた。気温は低めだったが、雨の降る心配はしなくてよい1日となった。走行開始は予定通りの正午。佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、路面のコンディションが多少向上した午後1時半に走り始めた。
今日の琢磨は34周を走り、そのファイナルラップに自己ベストをマークした。スピードは222.505mph(=約358.011km/h)。ラップタイムは40秒4485で、今日の27番手にランクされた。チームメイトたちは、トニー・カナーンが223.033mph(=約358.860km/h)で22番手、トーマス・シェクターが221.204mph(=約355.917km/h)で33番手、EJ・ビソが221.096mph(=約355.743km/h)で34番手だった。
Photo:INDYCAR(Mike Harding) |
土曜日に終わったところからセッティングプログラムを再開
Jack Amano(以下――):プラクティス3日目ですが、走行は2日目でした。
佐藤琢磨:そうですね、今日は実質、走行2日目。一昨日の走行初日の時点で、すでに2日目までは天気が悪いという予報があったので、初日はシェイクダウンにプラスしてセッティングのプログラムを進めるって話になりました。実際に土曜日の最後は雨で、僕らはプログラムの途中で終わってしまった。だから今日はホント、土曜日に終わったそのまま続きから始めましたね。多少、初日と今日とではコンディションが違うので、土曜日に試した部分のところからまずはスタートして、ベースラインを測って、そこを基準にして次のステップ、次のステップ・・・・・・という風に今日は段階を追ってプログラムを進めて行きました。
――1回走ったらピットでではなく、ガレージに戻ってセッティングを変更するというインディ流でやっていましたが、プログラムの進み具合やスピードの上がり具合についてはどう感じていますか?
佐藤琢磨:すごくいいと思いますね。慌てずにシッカリ落ち着いた感じでやれてます。もちろんね、やりたいプログラムっていうのは山ほどあるんですけど、そこはやっぱり4台走らせているという強みが僕らにはあるので、ちゃんとプログラムをみんなで分けて、それぞれが自分たちのやることに集中をしています。ピットレーンでのセッティング変更は、時間の短縮にはなるんですけど、やっぱりセットアップパッチにしっかりと乗せて、キチッとミリ単位でシッカリと合わせて行かないと、ちゃんとしたバック・トゥ・バックの比較テストっていうのはできないから。そこを今回はシッカリやろうってチームで決めてるんです。毎回セッティングを変える時はガレージに戻って、時間をかけてゆっくりやっています。
――インディのセッティングはそこまで繊細でシビアだってことですね?
佐藤琢磨:はい。そういうやり方が今日は功を奏してというか、すごくひとつひとつのデータのクォリティが高いので、少ない周回数でも割と自分の中での理解度っていうのが高まったし、大きなジャンプはなかったけども、確実に走る度に速くなってる。で、最後はちょっとスリップ・ストリームというか、トウ・ラップに入ったんでスピードがいきなり上がったんだけど、そこに行くまではシッカリと単独走行ができていて、データと自分の感覚を比較しながら進められたんで、すごく充実感のある1日でしたね。
いま、きっちりとベースを作ることが大切
――今日は最終的に27番手という結果になりましたが、プログラムは順調で、順位はまったく気にしてないって感じですか?
佐藤琢磨:気にしてなくはないですね。データを見ると、上のグループのドライバーたちは単独走行でも僕らのトウに入っているラップでも速かったりするので、そこはやっぱり多少はドライバーとして気になりますけど、プログラムが違うんでしょう。おそらく、クォリファイトリムみたいなことを試したりもしてるんだろうと。そういうこともあるので、そんなに神経質にはなってないです。まだ予選まで時間があるので、今キッチリとベースになる、ファウンデーションになる土台作りをしないと。その後で僕らもトリムをしてけば、スピードを上げられると思うのでね。そこに行く前に焦ってスピードだけを追い求めると、足元が不安定な状態で、去年のようなことになりかねないので。今年はゼロミステイクで行きたい。エンジニアリングを含めて、予選までゼロミステイクで引っ張って行くっていうのが大きな目標です。
――去年がインディ500は初めてでスピードがすごいって驚いてましたが、今年は全然そんな雰囲気がありません。レーシングドライバーって、一度経験したスピードはもう平気ってなっちゃうんですか? 体に刷り込まれちゃうというか、蓄積されるというか?
佐藤琢磨:やっぱり2年目だから、去年とは感じ方が多少違いますね。去年はルーキーテストでスピードを徐々に上げて行った。最初はもっと簡単だろうって思ってたんだけど、意外にあのスピード設定っていうのは的を得てて、自分のフィーリングとしっかり合ってましたね。だからプレッシャーなくスピードを上げることができた。それはすごく大切なことです。去年は予選までにトラフィックの中をほとんど走ることができなくて、不安を抱えたままレースをやった。でも、レースを完走したことで、インディ500っていうのはこういうものなんだっていうのを体でわかった。わかったとはいえ、こうして1年ぶりに戻ってくると怖いです。速いもん。
――やっぱりそういうもんなんですね。
佐藤琢磨:ここは本当に速いから。今日だって、3回だか4回走ったかな? でも、出る度にビックリしますね、最初はね。
――スピードを上げた最初のターン1ていうのは、少し気構えるって感じですか?
佐藤琢磨:そうですね。すごいアンテナ張って、特に右リヤの動きっていうものに対してものすごく神経質になってる。ちょっとでも動きが見られた時は、すぐにピットに帰ることにしてます。すごい慎重に走ってますね。
予選の2日前から予選対策をしていきたい
――今日は寒いコンディションでしたが、路面の状況はどうでしたか?
佐藤琢磨:走り出しのころは、やっぱりラバーが流されてしまっていたので、あんまり良いコンディションだったとはいえなかったですね。ただ、何ていうのかなぁ、空気の状態っていうのはすごく良かったので、今日はスピードは出るコンディションだったとは思います。あとは路面ができ上がってくると、さらにマシンのエアロの方をトリムできるんですけどね。今日の時点でそこまでやってる人もいたと。僕らはかなり土台作りに集中してるんで、まだ最高速を伸ばそうってプログラムにはいってないです。まぁ、タイヤの減り具合とかを見ても、セッティングはそんなに悪くはないです。
――明日も天気は良さそうです。明日さらにセッティングを進めることができれば、予選トリムも水曜にはスタートさせて・・・・・・といったような計画ですか?
佐藤琢磨:そうですね。天気次第ですけども、去年は予選に前にトリムに入るのが少し遅かったので、予選に至るところで驚いたところとかがあったんです。だから今年は予選に入る2日前にはね、予選を見据えて色々とやりたいなって考えてます。
――好天が続くことを祈りたいですね。
佐藤琢磨:はい。昨日1日の雨でタイヤのセット数をセーブできたので、ここからはドライコンディションがずっと続いていいと思います。むしろ、僕としては色々とやってみたいこともあるのでね、まだトラフィックの中で1回も走ってないし。そういうのも徐々にね、練習してかなきゃいけないと思います。
500のタイムって過去どうでしたっけ?
返信削除チャンプカーしか見ていなかったんですけど、
96年のチャンプカーの払い下げシャーシの時のライエンダイクのタイムが最速だった様な気がしますが
匿名さん、コメントありがとうございます。
返信削除かなりお詳しいですね。INDYCARの記録によると、お書きになった通り、トラックレコードは96年のアリー・ライエンダイクの37秒895(237.498mph、およそ時速382.2km)ということです。このときの予選タイム(4周)は2分31秒908(236.986mph、およそ時速381.4km)で、これも記録として残っています。(更新係)
佐藤琢磨は未だ走ってたのですか。?相変わらず言い訳三昧。一度も優勝してないのですか。?今までF-1 ,インディーで優勝した日本人は?でも言い訳NO1で優勝か?
返信削除匿名さん、こちらのサイトで久々に佐藤琢磨選手の活躍を目にしたようですね。
返信削除琢磨選手は、残念ながら優勝こそ挙げてないものの、先日のブラジル戦ではトップでレースをリードしていました。その時はあとちょっとのところでチームのとった戦略が裏目に出て、優勝を逃しましたが、スピードではまったく負けていない、とてもいいレースでした。
期待の裏返しできついコメントとなってしまっているようですが、琢磨選手のインディでの活躍にぜひ、注目してください。いいレースをしていますよ。(更新係)