Photo:INDYCAR(LAT) |
トップを走っていた佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー・ロータス)は、無給油で走り切れると確信してステイアウトという道を選んだ。
ここで琢磨と同じ作戦に出てポジションを3位から2位に上げたのがマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)だった。琢磨同様にウェットコンディションで速さを見せ、ポジションを上げてきていた彼だが、3位という好位置につけていながらギャンブルに出た。
しかし、両陣営の期待したイエローはついに出されることはなく、ふたりは給油のためにピットへと向かった。
「燃料が持たない」。その事実を知らされてピットロードへマシンを向ける。ピットもドライバーも大きな失望感に囚われてしまう状況だが、アンドレッティ・オートスポーツはそこから更にもう一度逆転する意気込みを持っていた。マルコにスリック・タイヤ(当然ソフトタイプのレッド)を装着させてコースへと送り出したのだ。路面は徐々にだが乾いて行っていた。可能性のない賭けではなかった。
結果的には、この作戦も成功はしなかった。マルコは琢磨の8位より6つも後ろの14位でゴールすることになった。
マルコ・アンドレッティ(土曜日) Photo:INDYCAR(LAT) |
今回のKVレーシングの場合、琢磨をステイアウトさせる作戦に出るのなら、同じく上位を走ってたEJには別の作戦を採らせるべきだったのでは? 琢磨とEJのピットで作戦についての情報交換はなかったのだろうか? 2台以上を走らせる場合には作戦を分けることが多くあるのだが、今回の彼らは2台両方とも同じギャンブルに出た。そこまでコーション発生に自信があったということか? 先頭を行く琢磨はセオリー通りにピットさせ、やや後方の5位を走っていたEJにはギャンブルでトップを狙わせる……というのがベストだったのだろう。そうすればEJの作戦が当たれば優勝。仮に失敗となった場合でも、琢磨で優勝は十分に狙えた。
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