天候:快晴
気温:23.3~28.3℃
プラクティス7 39秒6382 227.054mph(=約365.408km/h) 51周走行
予選直前のファスト・フライデイは快晴に恵まれた。風もほとんどなかった。ほぼすべてのドライバーたちがこの日だけで一気にスピードアップ。佐藤琢磨も予選に向けてのセットアップを着実に進め、グリップを確認しながらダウンフォースを段階的に削り取って行く作業にとりかかった。そして、それは順調に進んだ模様。
予選日は午前中にプラクティスがあり、そこで最後の調整が行われる。アタックは午前11時から始められる。
予選日は午前中にプラクティスがあり、そこで最後の調整が行われる。アタックは午前11時から始められる。
Photo:Naoki Shigenobu |
Jack AMANO(以下——)51周と結構走りましたね。今日は予定したプログラムをこなせた1日でしたか?
佐藤琢磨:そうですね、ほぼ……ほぼできたと思います。その結果がどうということではなくて、ですが。昨日はかなり遅くまでミーティングをしました。スピードウェイを出たのが10時を過ぎてて、もう本当に誰もいない真っ暗な状態だったんですけど、まぁかなり、8時半か9時ぐらいまで全体のミーティングやってて、それが終わってからも自分のエンジニアのガレットと小1時間、いろいろと話をしてました。昨日は納得の行かない部分がたくさんあったのでね。そういうことがあって、今日は4台でかなり精力的に色々なことを試しましたね。でも、まだ集団の中で走るレース用セットアップは、昨日の夕方のがあまりにひどくて、今日もそれらがすべて解決はされてませんで。みんな同じ悩みを持っているので、そこら辺はチームとして、そういう方向性になっているのだから、来週のカーブ・デイまでに何とかしたいなって考えています。
——予選シミュレーションを最後は繰り返していましたね?
佐藤琢磨:はい。午後2時過ぎぐらいから、残り時間が4時間を切って、もう明日は予選なのでね、予選用プログラムにシフトして、そこからは本当に単独走行重視でやってました。シッカリとスピードに乗せることはできていたから、僕としては今日の予選のプログラムは凄く良かったと思っています。
——226マイル台を安定して出せていた。あの辺りが自分としても想定していたスピードでしょうか?
佐藤琢磨:そうですね。225さえ知らない世界だったので、去年はああいう状態だったんで……。やっぱり速いですね、226マイルにもなると。1マイルって1.6キロでしょ? 大したスピード差じゃないと思ってたんだけど、速いですよ。ホントに速い。226マイルの後半ぐらいになると世界が変わってくる。最初はかなり慎重に行かないとならなかった。でも、予選シミュレーションを3回連続でできたのかな? それによって僕の中でも理解度がかなり深まったし、自信にも繋がったので、明日の予選に向けては凄く準備としては、良い方向に向かっていると思います。
——227マイル台も1周ありましたよね?
佐藤琢磨:ちょっとトウっていうか、空気の流れに助けられてってところでしたけどね。
——そのラップはさらに速い印象でしたか?
佐藤琢磨:もう離陸しちゃうかと思いましたよ!(笑)
——少し具体的に、速さの感じ方って話してもらえませんか? 226マイル後半というのが、そこまでのスピードで走ってる時とどう違うのかっていう辺りなんですが?
佐藤琢磨:まず、コーナーのRがキツく感じますよね、当然。それまではちょっと余裕を持ったり、ラインを多少修正するような感じでもコーナーをキッチリと回り切れたり、あるいは人の後ろについてタービュランスが多少あってもコーナーを回り切れるんですけど、226マイル後半とかの速度域になって行くと、単独でコーナーを曲がるだけでギリギリになってくる。で、クルマがもちろんどんどんスクラブっていうんですけど、アンダーステアのレベルが増して行くんですね、ダウンフォースを削れば削るほど。そうすると最初に曲がって行く時のスピードが、自分の中での動物的なカンと、理解度とで、「このコーナー、本当に曲がれるのかな?」って恐怖心が出てきますね。それと、スピードが上がればウォールのギリギリまで行かないと曲がり切れない。そして、ウォールに近づくスピードが物凄く速くなっていくんで、ちょっと怖いですよね。でも、それってクルマを十分に理解していれば、自信を持って切り込んで行けるんですけど、怖いとタラタラとスタリングを切ってくことになって、余計にコーナーの最後が苦しくなる。そういうジレンマをただでさえインディアナポリスってコースは持ってるんですけど、予選トリムにすると、それが2倍ぐらいに感じられるんで、ちゃんとしたクルマでリヤがしっかりとしているものを造っていかないと、ダウンフォースはおっかなくて削っていけないですね。
——トリムアウト、トリムダウンて言葉がインディの予選用セットアップでは使われますが、琢磨選手の場合は、どのぐらいの削り具合なんでしょう?
佐藤琢磨:いやぁ、かなりのところまで来てますけど、しっかりと段階を追ってきてるので、もう少し、数歩はあると思います。自分の中でも、チームやエンジニアのガレットの中でも。クルマは凄いコンサバティブに、ちょっとずつ、ちょっとずつやって、理解をちゃんとしてから次に行くようにしてます。何ていうんだろう、今、まったくマージンってないんでね。一度も失敗できないんですよ。一度でも何か、コントロールを乱すようなモーメントがあって、壁にはりついたら終わりになっちゃうんで、だからそこは凄い慎重に進めてますね。
——明日のアタックの順番も重要になるかもしれませんね。
佐藤琢磨:今日、これからくじ引きですね。
——是非ともトップ9に入って、4時半からのポール争いを戦って欲しいところです。
佐藤琢磨:今日は12番手でしたけど、トップ9に入れるように頑張ります。そんなのに入れたら夢見たいですよね、去年の32番手を考えたら。逆に、日曜をレース用のセットアップを仕上げる時間に当てないと、ちょっとヤバいんで……。
——トップ9に入ればグリッド獲得は決定です。日曜にどんなに速いドライバーが続出しても絶対にバンプアウトされないってルールです。
佐藤琢磨:じゃあ、その状態になって、日曜にはレース用セットアップに集中したいですね。
Photo:Naoki Shigenobu |
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