2011年5月19日木曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント30 R5 インディ500 Day5 プラクティス5 「どんどん予選前の時間が削られてしまって、フラストレーションが溜まってしまいます」

2日目のプラクティス中止に苦笑いの琢磨。Photo:Naoki Shigenobu
Day5 5月18日 
プラクティス5 中止

走行開始以来5日目でまだ2日間しか走れず

マシンはピットに運ばれて行った。佐藤琢磨はレーシングスーツに着替え、エンジンのウォームアップ音が聞こえる中を自らのピットへと向かった。ところが、彼がKVレーシング・テクノロジーのピットに到着してから5分も経たないうちに雨が降り出した。走行5日目となるはずが、まだ琢磨陣営は2日間しか走れていない。プラクティスはいよいよ明日と明後日の2日間を残すのみとなった。土曜日は予選初日=ポールデイ、日曜が予選最終日=バンプデイである。しかも、日曜は雨との予報が出されている。

「明日からのプログラムについて、時間をかけて話し合いました」

Jack Amano(以下――): いやぁ、驚いたことに今日も結局走れませんでしたね。走る気満々だったと思いますが、どうでしょう?

佐藤琢磨:やっぱり2日間雨で走れないっていうのは、フラストレーションが溜まりますね。どんどん予選前の時間が削られてってしまう。もうタイヤは使えないぐらいあって、エンジンのマイレッジだって使い切れないぐらいあるのに、それを使えないっていうのは、ある意味で不安にもなりますね。もう何年も何年もやってきていて、勝手がわかってる人たちと僕らでは全然違う。どんなに去年出場して慣れたからといっても、まだ2年目ですからね、僕らは。やりたいことはいっぱいある。例えば、ラインについても1回もまだトライができていないものがある。今日はそういうのも試したかったんですよ。やりたいことのメニューがいっぱいあったって、明日からはプライオリティの高いところからやるしかないのでね、多分半分ぐらいプログラムを捨てなきゃいけないでしょうね。それが残念ですよね。

――時間が大幅に減って、プログラムの選定は非常に難しくなっていると推察します。何をやり、何をやらないのか……そのあたりを今日はエンジニアと相談してたんですか?

佐藤琢磨:はい。大分話し合いました。本当ならひとつひとつのプログラムをバック・トゥ・バックで比較テストしたいんですけど、例えば、あるプログラムとあるプログラムとを組み合わせることができる。それらを一緒にやっても、データ的にも感覚的にも混乱しないっていうのが。そういうやり方があるので、欲を言えばひとつずつしっかりと潰して行きたいんだけど、いくつかの項目についてはペアで、セットでできるものがあるので、そうやってうまくセッティングを進めて行きたいですね。

Photo:Naoki Shigenobu
「無事に初日で予選を終えたい。それが今の目標です」

――予選に向けたプログラム、レースを睨んだプログラム、並行して進めないとならないのでしょうから、それをいかに振り分けるかも大変ですね。

佐藤琢磨:そうですね。1日目と3日目に関しては、ほとんどトラフィックに入らないで走ってました。ほぼすべて単独で走ってクルマを感じていました。そういうのはもう、明日以降は難しいでしょう、40台近くが一斉に走るわけですから。いくらインディが2.5マイルという長いコースといえども、すごく混雑すると思う。逆に言えば、レースのセットアップというのは、トラフィックを走ってこそ意味がある。そうじゃないとダウンフォースがつき過ぎて、足回りを変更してもあんまり違いがわからないんですよ。トラフィックに入ってダウンフォースがなくなると、クルマが滑り出す。だからこそ、しっかりとしたグリップ感があるクルマがレースでは必要とされる。予選も決勝も基本的にマシンセッティングの根本のところは同じなので、メカニカルグリップをとにかく上げて行く。しかし、それを上げ過ぎるとエアロに影響して来ちゃうので、そこをうまくバランスを取らないとならない。

――去年はトラフィックの経験をなかなか詰めないプラクティスでしたが、今年はトラフィックに不自由することはなさそうですね?

佐藤琢磨:でもまだ実際に、今のところはトラフィックを走れていないんですよね。逆に、予選前はホント、単独でいっぱい走りたいんだけど……。トラフィックの走りは、おそらく予選を終えてからになるでしょうね。無事に予選を初日に終えたい。そうしたら日曜日はいっぱいトラフィックで走ることができると思うので……。それが今の目標ですかね。

――去年から予選にはトップ9によるポールポジション争いという第2ステージができてますが、やっぱり今年の目標はそこに食い込んで行くことですよね?

佐藤琢磨:はい。今年の予選での目標はトップ9に入ることです。まだ20番手台をうろうろしているので何ともいえないですけど、予選でのトップ9入りはやっぱり目標にしたいです。

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