Photo:Naoki Shigenobu |
走行時間減少で難しくなる予選用セッティング
JackAmano(以下――):ロジャーはインディ500に5回出場したんでしたよね? 今より少し日程の長かったころと思います。これだけ雨が降るっていうのは珍しいのでは?
ロジャー安川(以下ロジャー):そうですね。3週間とか1ヵ月のイベントだったころでも、1週間とかは必ずこういう天気ってあったと思うんですよ。多分、雨が降って走れない日があることは珍しくないんですけど、今年は2週間の日程で、5日目までで2日間は雨のためにまったく走れなかった。これだけ走行時間が減ってしまうと、経験のないドライバーは不安要素が増えるでしょうね。ベテランドライバーたちは、逆に、こういう時に無理して出てってもあんまり得にはならないってわかってますから、そんなに気にしないでいられると思います。ルーキーたちは結構かわいそうですね。
――今年がルーキーの人は大変ですよね。
ロジャー:かなり厳しいはずです。それでも幸いなことに、ポールデイのコンディションは今の予報だと寒くならなさそうなので、非常に難しいコンディションにはならないで済む感じですよね。コンディションが悪い場合、サスペンションのセッティングもうまく仕上がっていない状態で、空力をトリムアウトして行くっていうのは危ないですよね。
――これだけ走行時間が減ると、走れる時間はみんなが走るってことになるでしょう? そうしたら予選用セッティングをしたくとも単独走行はほぼ不可能になるのでは?
ロジャー:多分しづらいでしょうね。ギヤレシオとかを合わせるのも大変だと思います。特に金曜日はかなりコースが忙しくなるはずですから。ただ、今までのところ、ほとんどのドライバー、チームがトラフィックランをやってないですよね? 僕が見てた限りではチーム・ペンスキーが3台が自分たちでやっていただけで、しかし、それにしてもほんのちょっとの間だけだったと思うんです。団子状態での走行をほとんどのドライバーがしていないとなったら、金曜日の途中まではみんながレース用セットを混雑した中で固めて……ってなるかもしれませんね。
トップ9によるポール争いで、複雑化する予選戦略
――予選は去年からトップ9がポール争いをするってルールになってます。
ロジャー:そこも難しいところですね。午後3時とかまでにトップ9に入っていたら、夕方の1時間半で行なわれる9人だけの予選に出場できる。この9人に入った場合のプログラムと、そうじゃないものの両方を用意する必要もあると思うんですよね。以前はポールかそれ以外かって感じだったのが、今のルールだととりあえずはトップ9をって戦い方もある。
――KVレーシング・テクノロジーはトップ9を狙って行く発想のようですが?
ロジャー:そうですね。だから、ストラテジーは複雑になります。それでも、KVの中でも琢磨選手は単独でもスピードが乗ってますから、まだトリムアウトしていない段階ででしたけどね。あとは、トリムした時にマシンがどうなるかで、それはやってみなければわからないワケですけど、今までの2日間の走りからするととても良い感じに見えています。
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