2011年4月13日水曜日

2011 INDYCAR R2 バーバー・モータースポーツ・パーク レースアナリシス5 「今回も予選では全員が全セッションでレッド使用。そして……」

今のところ、レッドとブラックの格差は広がっている

 開幕戦に続いて、今回のレースも出場者全員が予選でレッドタイヤ(ソフトタイプ)しか使わなかった。ファイアストンはロードコースでは2種類のタイヤを供給していて、予選ではどちらを使っても良いことになっている。しかし、今年からのルール変更で予選の各ステージで使えるのが1セットのみとされてからは、ブラック(ハードタイプ)で予選を走る者がいなくなった。トップチームであっても、ブラックでは第1ステージを通過できないというリスクが考えられるからだ。
 去年までは1セッション中に2種類のタイヤの両方を使うことが許されており、2セット以上を使うこともできた。そのために第1ステージで、「あわよくばブラックで通過したい。レッドを残り2ステージに温存できるから……」と考えるチームやドライバーがあった。 実際にブラックで第2ステージへと進める可能性は十分にあるように見えていた。もちろん、レッドを使わない戦略を採用して失敗に終わるケースもあったが……。それでも、見事成功させれば間違いなくアドバンテージを手に入れることができたので、トライする価値はあった。
 まだ2レースが終わったばかりだが、今年のルールではブラックで予選を戦うケースは見られないのかもしれない。どこが去年と違っているんだろうか? それはブラックとレッドのコンビネーションだ。去年はブラックとレッドの性能差が小さい時があったのだが、今年はこれまでのところ、ブラックのパフォーマンスが明確に低く……あるいは、レッドの性能が高くされている。だからブラックは予選で使えない。

予選でのレッドタイヤのマネジメントがカギ

 今後のロードコースで供給されるフィアストンタイヤは果たしてどんなものになるのか? サーキットによって両タイヤの仕様は異なるし、2種類のタイヤの性能差も違ってくる。では、2種類のタイヤの性能差が今より縮まった場合と、今より広がった場合、レースでの作戦や戦い方はどう変わるのか? おもしろみが増えるケースはどちらなんだろう?……この疑問に対する答えは、どっちに転んでも両方が考えられる。
 ただ忘れてはならないのが、レッドは決勝でも使用を義務づけられている点。最低でも2周、グリーンフラッグ下で使うことがルールで定められている。そして、レッドは各チームに3セットしか供給されない。予選で使えるのは2セットまで。1セットは予選終了後にチームへと手渡される。予選は3段階あるが、2セットのレッドで賄わねばならない。このマネジメントが勝負の分かれ目になる。第2ステージまでにどちらか1セットのタイヤでいいから、できる限り少ない周回数に納めておく。そうすればファイナルを戦う余力がタイヤに残される。
 それ以外の考え方も、実はある。その件はトニー・カナーンの6位フィニッシュに関するレポートの中で書こうと思う。


今回、予選ステージ1で敗退したカナーンがレースでとった戦略とは? 
Photos:INDYCAR(Chris Jones)


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