Photo:INDYCAR(LAT) |
開幕戦セント・ピータースバーグでアクシデントが多発したスタート及びリスタートは、今回、決勝直前に少しの変更が加えられた。列同士での車間を1台分以上空けて、加速前の隊列を整える時点でのスピードを少し上げ、そして加速区間の始まりをコントロールラインから遠くしたのだ。
これらは適切なルール変更だった。もっとも、バーバー・モータースポーツ・パークのレイアウト――ターン1が緩やかな左コーナーで、ターン2は大きく回り込む右コーナー――であることの方が、アクシデント回避に大きく貢献していた。
ターン1でのアクシデントはなかった。ターン2でも小さなつばぜり合い程度だった。しかし、その先のハードブレーキングが必要なターン5ではアクシデントが起こった。タイヤが冷たく、燃料満載でマシンが重い状態でドライビングミスする者がいたからだ。
優勝したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のリスタート直後のライン採りに関して、2位となったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はレース後に不満を漏らした。しかし、レース主催者のインディカーはパワーのスタートに関して何も問題はないと見ている模様だ。
「コントロールラインを越えたらどこを走ってもいい」
ディクソンは、「ウィルは僕のレーンを走っていた」と憤っていた。「しかし、ブライアン・バーンハート(インディカーの競技及びレーシング・オペレーション担当社長)はいつもと同じで、この件に関して何も行動を起こさないだろう。今のルールでレースをやり続け、ドライバーズミーティングで左側のドライバーはコースの中央より左側にマシンを保てというのなら、ルールをその通りに適用すべきだ。最低でも彼らにそうすべきだと告げるべきだ」と怒りをぶちまけた。
さらにディクソンは、「インサイドの右側からスタートして、左に寄ってくる“いいとこどり”は許されない。僕はレース後にウィルと話した。彼は、“いやぁ、無線では何も言われなかったよ”と答えた」とも話した。
これに対してパワーの主張は「オフィシャルからの警告は何もなかった。つまり、僕の走りには一切の問題がなかったいうこと」というもので、「コントロールラインを越えたらどこを走ってもいい。ルールはシンプルそのものだ。レース前にオフィシャルにも確認済みさ」とディクソンの意見などまったく気にかけていなかった。
「芝生に押し出されそうだったとディクソンが怒っていた。レース中に無線でそう知らされた。もっとスペースを与えるべきだった。そんなことになっているとは思ってなかったんだ。僕から見たら、彼の方が僕の横へと並んできて、大きくマシンを寄せる走りをしていた。僕らはお互いにぶつけ会おうとしていた。ふたりは両方とも勝負に出ていた。ファンはそういうのが好きなんだ。ドライバー間には多少のフリクションも必要なのさ」ともパワーは話した。
次戦、ロングビーチのリスタートに注目
次の第3戦トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチでのリスタートには大いに注目したい。スタート後の各レーンのドライバーのポジション採りについて何らかの変更なり注釈が加えられるのかも興味深いポイントだが、トップスピードに到達するストレートからハード・ブレーキングするターン1、それも、ストレートよりコーナーの先が大幅に狭いコースを考えると、激しいアクシデントが起きないかが心配だ。
Photo:INDYCAR(LAT) |
0 件のコメント:
コメントを投稿