プラクティス3 1分3秒5953 10位 25周走行
EJ.ビソのクラッシュでアタック完了できず
昨日のプラクティス2回目で16ラップを走ったタイヤセットを装着し、プラクティス3回目に佐藤琢磨は臨んだ。路面温度、気温ともに昨日の最初のプラクティスとほぼ同じコンディションだったが、朝方のセント・ピーターズバーグは靄に包まれていたため、湿度が高く、やや蒸し暑く感じる天候だった。
琢磨は周回数を多くこなしているタイヤで新たに施したマシンセッティングの確認を行い、調整を加えながら10周を走った。ここまでのベストは1分4秒台半ばで、ポジションは12番手だった。
そしてニュータイヤへと交換。路面温度がジリジリと上昇し、グリップも高まってくる中、ゆっくりとタイヤに熱を入れ、トラフィックに引っかからないスペースを確保。5ラップ目に1分3秒5959まで一気にベストを1秒短縮。タイムモニターの上から3番目へとジャンプアップした。
ライバル勢もタイムを縮め続け、琢磨は走り続けていたがポジションは10番手までダウン。ここでさらにもう1セットのニュータイヤを投入した。
もうセッションの残り時間はわずかしか残っていない。この時、コースインの前に琢磨はリヤサスペンションに小さな変更を施しており、タイム更新が期待された。しかし、またしてもチームメイトのEJ・ビソがクラッシュ(今週3回目のプラクティスで3回目!)。イエローフラッグが出されたためにアタックを完了することができず、セッションも終了となった。
――セッションの最後、新しいタイヤでタイムを出したいところでしたが、イエローが出てしまいましたね?
佐藤琢磨:イエローコーション出ちゃって、最後は確認ができなかったんだけど、昨日からは確実に前進できて、トップとの差も少しずつ縮めることができたので、まぁ予選までに向けてはトラブルフリーで行けたかな、と思います。
――最後に来てググッとスピードを上げた感じでしたね?
佐藤琢磨:昨日から結構周回数はこなしているので、タイヤのライフ的に、多分、上の方に来ているドライバーたちよりも結構多い状態なんですけど、ニュータイヤを履いた時のゲインというのはその分大きかったので、今、ちょうどトップ10なのかな? もうちょっとスピードは欲しいとこですけど、予選に向けてもう一度データを洗います。
Photo:INDTCAR(Dana Garrett) |
佐藤琢磨:朝イチで走った感じでは昨日とそんなに変わってない印象でした。風向きは若干変わったんですけど、一晩経って、クルマを変えたことによって、クルマがもうちょっとこう……何ていうのかな、前と後ろがくっついてきた感じ、繋がってきた感じがするんで、フィーリングとしては良くなってきてる感じがする。
――レッドとブラック、2種類のタイヤを使っての予選が次に行われますが、レッドに関する情報は、どんなものを持ってるんですか?
佐藤琢磨:今、結構驚いたんだけど、今のセッションで2人ほどがレッドタイヤを使ってる。おそらく新しいコンパウンドなので、それをチェックしたかったんでしょう。残念ながら僕らKVレーシング・テクノロジー・ロータスは誰も使わなかったので、情報は持ってない。だから予選に向けて、予想を立てるしかない。ただ、少なくともレッドタイヤは結構速そうですよね。僕もニュータイヤだったけど後ろから追っかけられたぐらいだったんで……。そのあたり、バランスが変わらなければタイムアップに繋がりますよね。
――テストでも使わせてもらえないので、そのあたりの見通しを立てられないのがレッドタイヤの難しいところですね。
佐藤琢磨:まぁ、そうですね。それは去年も変わらないけれど、少なくとも去年よりも半分ぐらいは知識が上がっている状態になっているのでね、チームにはTK(トニー・カナーン)もいるし、彼のアドバイスも聞きながら戦い方を決めたいですね。
Photo:INDTCAR(Dana Garrett) |
レッドタイヤの使い方が予選のカギ
セッション終盤に琢磨をレッド装着で追いかけたのは、ダニカ・パトリックだった。もう一人、レッドを試したのはビトール・メイラ(AJ・フォイト・レーシング)。どちらのドライバーも1周をまとめ上げて好タイムを出すまでには至らなかったが、彼らは予選に向け、少なくともレッドタイヤの性能評価、フィーリング確認を行うことができた。
プライマリー装着時とオプショナル装着時で、どの程度のセッティング変更を施すのがベストなのか。まずはプラクティスの間にプライマリーでマシンを仕上げておく必要がある。そして、そこからは変更のサジ加減が重要なのと、グリップの高さを信頼して大胆にドライビングすることもタイムを出すための条件となる。
今年から3段階の予選では、各セグメントで1種類のタイヤしか使用することができない。第1セグメントからいきなりレッドを使うチームも当然あるだろう。ブラックを選んだことで第2セグメントに進めない大物ドライバーが現われる可能性もある。
プラクティス3回目、トップは2回目に続いてウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、ラップ・タイムは一気に1分2秒7167まで縮められている。2番手はマイク・コンウェイ(アンドレッティ・オートスポート)、3番手はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。KVレーシング・テクノロジー・ロータスはカナーンが1分3秒3988で7番手、琢磨が10番手、ビソは18番手と出遅れ気味だ。
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