2011年3月25日金曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント2:バーバー オープンテストDAY2 3月16日

●バーバー オープンテストDAY2[3月16日]

バーバー・モータースポーツ・パーク
アラバマ州バーミンガム
全長:2.30マイル(=約3.70km)
コースタイプ:ロード

●Day2
3月16日
プラクティス4 1分13秒5929 10位 20周走行
プラクティス5 1分12秒4742  6位 49周走行

 テスト初日は中団グループのタイムに甘んじた佐藤琢磨だったが、走行2日目にはトップ6に食い込むラップを刻み、またしてもバーバー・モータースポーツ・パークでその存在感を強くアピールした。
 去年、琢磨はこのコースで予選のファイナルステージに進出し、レースではトップ5を走ったのだ。結果はマシントラブルに見舞われたために残せなかったが、一度テストで走ったコース、そして常設のロードコースでは十分にコンペティティブであることを証明してみせた。

 今年、バーバーのレースは第2戦として4月初旬に開催される。そこでの活躍がとても楽しみになるテストとなった。
Photo: Masahiko Amano
Jack AMANO(以下——)2日間走っての満足度は?

佐藤琢磨:なかなかプロダクティブというか、収穫のあったテストだったと思います。先週のシェイクダウンから結構急ぎ足でこのテストまで来ちゃったんですけど、色々試したかったことも、どうだろう、7割ぐらい? 6割から7割ぐらいはできたし。まだ幾つか課題はあるんですけど、まぁリカバーはできたと思いますね。
 昨日は一度、2台とも方向を見失いかけてたりもしたんですけど、その中でEJ(ビソ)と手分けしていろいろ探って行きました。そういう状況でどう仕事を進めて行くか、手応えあるものがつかめました。ここからエンジニアたちはシッカリとデータ解析をして、開幕戦と1カ月後のここでのレースにマシンを合わせてくれると思います。

——1年目だった昨シーズンとは大きく違い、精神的な余裕を感じていますか?

佐藤琢磨:そうですね。去年は本当に手探りの状態で、わからないまま乗っていて、もう、そこにあるものだけに乗っていたって感じでしたけど、今回のテストをやってみて、やっぱり去年1年間戦って来て、同じ場所に戻って来たっていうのは、精神的にすごく楽だし、実際に色々なことがわかるので、「あ、ここはこうして見ようか」とか結構いろんなサジェスチョンをエンジニアとディスカッションする中でしていって、いろいろ決めることができていたと思います。
 そういうのは間違いなく役に立っていました。フィールドがすごいコンペティティブっていうか、タイムを見ても競争がとても激しい。なかなか簡単には行かないですけど、その激しいコンペティションの中でトップグループにチャレンジできるような手応えっていうのを今回つかめたんじゃないのかな、と思います。

——チームのモチベーションは?

佐藤琢磨:冬の間にチームもクルマの良くできる部分を良くして行ってたし、チームメンバーも核になる人は残っていて、そこからさらにシェイプアップをしたというか、いいカタチで新しい若いクルーが入って来てます。KVレーシング・テクノロジー自身のクォリティが上がって来ていると思うので、僕自身もまたレースを一緒にやれることを楽しみにしています。

——参戦2シーズン目の目標は? 開幕前に立てているもはありますか?

佐藤琢磨:去年はリザルト的にとても残念だったので、今年は、これまでも予選である程度のところまで行けたところはあったから、それをキッチリとリザルトに残して行きたいですし、本当に1戦でも早くポディウムを目指したいです。

 テストの時点で、KVレーシング・テクノロジーはトニー・カナーンのために3台目を用意することを決定していたようだ。琢磨もそれを知っていた模様。2カーで行くと方針を決めていたKVだったが、経験豊富な元チャンピオンを獲得できるチャンスなどそうそうあるものではない。インディカー未勝利のチームとしては、結果を早く求めたいという事情があるのだ。
 カナーンの加入前は、琢磨がチームを引っ張って行く立場にあったが、そうではなくなった。カナーンは開幕ギリギリで入って来たと言っても、チームが自分を中心に回るように仕向けるだろうし、彼の実績と経験からして、そうなることは当然だ。チームも彼のリーダーシップに強く期待をしているはずだ。

 琢磨としては、彼に振り回されることなく、彼の経験からひとつでも多くのことを吸収することが求められる。もちろん、そんなことを琢磨は、人に言われる前に十分に理解している。タイトル獲得経験まで持つベテランチームメイトの加入は大きなプラスとできる。
 オーバルでのトップ争いではドラフティングパートナーとして頼れる存在にもなるだろう。彼の力も自らの力へと変え、今シーズンはINDYCARで大きなジャンプを実現して欲しい。

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